スイス・リークス

(source/International Consortium of Investigative Journalists、ICIJ)

英国に本社を置く世界第二の銀行HSBCのスイス部門が200か国以上の顧客の脱税をほう助したとされる。それらの顧客の口座残高の総額は1190億ドル（約14兆円）に上るという。（切抜/参照）

約１０万件の秘密口座の名義人にはモロッコ国王、レバノン国王をはじめとするアラブ諸国の王族、約２００ヶ国の政治家、実業家、弁護士、医師、芸能・スポーツ・美術界の著名人、さらには武器商人や麻薬売買業者、またアルカイダにつながる組織も含まれている。

「欧州諸国が六年にわたる金融危機の後、財政再建に苦しんでいるとき、中間階級が税負担の重荷に耐えているとき」富裕階級の脱税は黙過できない。

フランスだけでなく、スイス、イギリス、アメリカ、ブラジルなどでも大騒ぎになっている。だが、わたしの見ている日本の新聞は（3月5日現在)無言。ICIJが公表した秘密口座の持ち主リスト’（参照/著名人66人）には超高名な日本人建築家の名が写真入りで載っている。

日本人が持つ口座（296人、596の口座、全世界で68位）の総額は4億1990万ドル（500億円余）。「ル・モンド」や「ザ・ガーディアン」とちがってお上品で良識的な日本のメディアは、プライバシーと人権に配慮して、国税庁がお歴々の脱税を摘発するまで、沈黙を守るおつもりのようだ。（加藤晴久氏-超ダサイお歴々-「ル・モンド紙から世界を読む」より抜粋）