南無煩悩大菩薩

今日是好日也

いったい何が起きている?

2016-02-05 | 古今北東西南の切抜
(photo/source)

・・よくないことを考えないですめば、どれほど楽だろうか。

だが、よくないことを考えるのは、無意識に自分を守ろうとする自己保存本能のようなものだ。よい事ばかり考えていると、思いがけない失敗をする可能性がある。

夜遅くにアパートの一室に一人でおり、外で聞き慣れない音がした場面を想像してほしい。そのとき全く根拠もないのに、誰かすてきな人が会いに来てくれた、と考える人はいないだろう。最初は、不審者でも来たのではないかと考えて身構えるのが普通だ。

私たちは思いがけないことが起きた際、まずはよくない事態を考えて身を守ろうとする。これを専門用語では「ネガティブ・バイアス」と呼ぶ。ネガティブな方向に偏った判断をする傾向という意味だ。こうすることで、私たちは太古の時代から生き延びてきた。

それを無理にポジティブに考えるようにするのは好ましい事ではない。大丈夫だから気にするなと安易に励まし、後で大変なことを招く場合も多い。

大丈夫かどうかは、現実を確認して初めていえる。

思いがけないことが起きて不安になるのは自然な心の動きだ。同時に、何が起きているかを確認したい。

-大野裕 認知行動療法研修開発センター「生き延びるための本能」より-
コメント (2)
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