南無煩悩大菩薩

今日是好日也

自然に生きる、すなわち西方浄土。

2020-09-11 | 意匠芸術美術音楽

(photo/source)

彼の心は底のないふくろのように行き抜けである。何にも停滞ていたいしておらん。随処ずいしょに動き去り、任意にんいし去って、塵滓じんしの腹部に沈澱ちんでんする景色けしきがない。もし彼の脳裏のうりに一点の趣味をちょうし得たならば、彼はく所に同化して、行屎走尿こうしそうにょうの際にも、完全たる芸術家として存在し得るだろう。

ー夏目漱石「草枕」より

たとえばタクシーを捕まえようとして、駆け足で走れば「自動的に」心拍数が上がる。たとえば聴衆の前に立って話をしようとすると「自然に」副腎からアドレナリンが分泌される。たとえば魅力的な異性を見ると「反射的に」瞳孔が拡張する。

自動的に、自然に、反射的にとは、身体本来のシステムが環境の変化に反応するときの様子を表した言葉である。

あれこれややこしくすることはない、私たちはそれそのまま自然にて生きている。それにどんな不都合があるといえるのか。

 

Ennio Morricone - Theme from "Once Upon a Time in the West"

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする