南無煩悩大菩薩

今日是好日也

異なる必需品の定義

2020-04-16 | 古今北東西南の切抜
(picture/source)

ほとんどの国においてスーパーマーケット、薬局、銀行は営業を続けている。その他どのような店が営業を許されているかは、政治家の判断によるものが大きい。

お酒は必需品だろうか。ペンシルバニア州やインドではそうではない。これらの地域の居酒屋は閉まっている。だがフランスのワイン専門店は営業している。

また、オランダとカリフォルニア州では大麻ショップも営業を認められている。カリフォルニア州の大麻販売額は三倍に増加した。マリファナ愛好家は、家族と共に家に閉じ込められ、人生について思いを巡らせているのだろう。

ベルギーでは書店の営業が許可されているが、英国では閉鎖を命じられている。「(書店が市民にとって重要なのは)スーパーマーケットや薬局となんら変わらない」といった訴えも、功を奏さなかった。対照的なのがフランスで、書店の営業を例外的に許可しようとしたところ、書店組合はアマゾンやスーパーマーケットでの書籍販売を中止することを条件に、営業禁止令を継続してほしいと要請したという。

クリーニング店やコインランドリーは、ニューヨークを含めてほとんどの地域で営業を続けている。だが、こざっぱりとした身なりでいることは、不要不急のニーズではない。欧州の多くの地域で、理美容院は閉められている(ただ、ドイツでは営業が続けられていた)。業界団体も理美容師が顧客に触れないでいるのは極めて難しいと、引き続き休業を命じるよう政府に要請している。休業すれば従業員の人件費を政府の賃金保証制度で肩代わりできるので、経費を抑えることができる。

韓国は商店に休業を命じる厳しい措置は取っていない。だが営業を続けるスポーツクラブやナイトクラブなどは、来店者記録を作成し、客同士が一定の距離を維持するようにしなければならない。施設内で感染者が出た場合は、施設側が治療費を負担する義務を負うという。

食料品店以外の商業施設は、たとえ営業を継続していても客足は落ちるだろう。人々は子育てと在宅勤務を両立しなければならない。所得を失った人もいるし、もうすぐそうなる人もいる。景況感は落ち込むばかりだ。したがって景気が回復するまで、政府の支援に頼る方が得策だと、多くの商店の経営者が考えるのも自然な流れといえよう。

-切抜/2020 The Economist Newspaper Limited May.28-Apr.3 2020
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