南無煩悩大菩薩

今日是好日也

すべてを正確に知ろうとする試み。

2013-11-12 | 古今北東西南の切抜
(photo source/total recall)

「ある人はそれを厳正なる思考と呼ぶ、またある人は神経過敏症と呼ぶ。ある人はそれを真性の追求と呼び、またある人はそれを事実の無視と呼ぶ」。


例えば、コンピュータ業界の開拓者、ゴードン・ベルという人は、日々のあらゆる瞬間、あらゆる会話、メッセージ、書類を記録しているという。1時間につき1メガバイト、あるいは1ヶ月につき1ギガバイトの情報を「五感撮影機(センスカム)」と称する首周りに装着した下のような装置

SenseCam)
で記録することで、「生活全録(ライフログ)」なるものを造りだすのだという。
ちなみにここ数十年のほとんど信じられないような価格下落と縮小化のおかげで、今では1ギガバイトといっても千円程で買え、また1テラバイトというのは1000ギガバイトのことで、掌に収まるサイズになりそれも1万円以内で売っているようだ。
80年程の生涯ならば、すべてを正確に保存するにしても1万円で済むのだが・・・。

・・・不思議の国のアリスの作者、ルイス・キャロルの小説には、世界を1分の1の単一縮尺で表す究極の正確な地図のことが書かれている。
「その地図はまだ一度も広げられたことがない。農家の人たちが反対したからだ。地図が国全体を覆って日光を遮断してしまう」と。
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リスク・テイキング

2013-11-11 | 世界の写窓から
(photo/unknown)

絶妙の感度である。

自分の体重に対する感度に相当の自信がないとこんな大胆にリスクを冒すことはできない。

食虫植物のセンサーがわずかでも働けば、食べられてしまう。だが、それを克服さえできたなら、臭いにつられた虫たちが勝手にやってきて、大幅な労力の削減+食べ放題の儲けを手に入れられる。

リスクを請け合うということはこういう風にやるんだよ。と教えてくれているようだ。
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現代的な脱藩浪士たち。

2013-11-09 | 古今北東西南の切抜
(image source)

日経ビジネス(2013.11.11)の「時事深層」の記事に個人的には大変喜ばしく且つわくわく且つ声援を送りたくなる試みが紹介されていた。

抜粋すると以下のような記事である。
「ニートだけで作る株式会社。メンバー全員がニートで、全員が取締役。そんな株式会社を設立するため、175人のニートが団結した。すべてにおいて常識の逆を行く組織が、いよいよ船出する」。

定款上の会社の目的は、「一切の事業」。普通なら通らないが、「(各自がこれから事業プランを検討する)今回は仕方がない」と認められたという。
175人全員が取締役の為、定款委任状は、数メートルの長い巻物になり、そこに皆で実印を押していった。「脱藩浪士の血判状みたいで、かっこいいでしょう」と世話人は笑う。

コンサルタントや先輩経営者など、押し付けがましい大人たちの助言は一切受けない。徹底的に常識へのアンチテーゼを貫くのは、ある意味で当然の帰結だろう。ニートとは、日本の企業社会の常識に適合できず、生まれた存在なのだから。

その中の一人で、うつ病の再発で就職口がなくなった女性は今、「食べられる名刺」を構想中だ。
「夜のお店で名刺を受取れないパパが、その場で携帯に登録して食べちゃえば、女の子も傷つかないでしょう?」

世話人の氏は言う。「このプランに失敗はない。だってニートにとって、そもそも今はゼロかマイナスなんだから」。

このNEET株式会社は11月21日に誕生する。
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朝日か夕日か。

2013-11-08 | 意匠芸術美術音楽
(artist/Vladimir Kush)

その昔、「子供は卵で産みたい」といった女性がいたが、

産み出すのは、卵か鶏かといった話は進化論的な論争も含め創生にかかわるシュールな問題でもあるように思う。

考え出せば夜も寝られないほどだが、これについてサミュエル・バトラーさんの面白い考えを引用してみる。

『あらゆる生物は、独自の方策でみずからの発達を「進ませる」ことを許されなくてはならぬ。鶏の卵の方策は、ものごとをなすにはずいぶん遠回りのやりかたに見えるかもしれない。しかし、実際にそれが鶏のやりかたであり、どうみても人が文句を言う筋合いのものではない。なぜ鶏ほうが卵より生きているとみなされるのか、なぜ雌鶏が卵を産むという言い方をされて、卵が鶏を産むと言わないのか。このような問いは自然科学による説明の及ばぬ域にあるが、もしかすると答えに近づく最善の道は、人の思い上がりと、自身を連想させないものすべてを無視するという何代にもわたる性癖とを考察することではなかろうか。しかしもしかすると、結局のところ真の理由は、
卵が鶏を産む際に「コケコッコ」と鳴かないからではないか。』

けだし名言のように思える。

沈みゆく側から見ればそれは夕日と呼ばれ、昇りゆく側から見ればそれは朝日と呼ばれる。
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メッセージ、フロムアース。

2013-11-07 | 古今北東西南の切抜
source/the golden record)

1977年、カール・セーガン率いる委員会が特殊な畜音盤を制作して、小型自動車ほどの大きさの惑星探査機ボイジャー1号、2号に積み込みフロリダ州ケープカナベルから打ち上げられた。
その蓄音盤はいわば、恒星間を漂う瓶入りのメッセージだ。
メッセージにはパターンを除けば何の意味もなく、つまりは抽象芸術といえる。
例えば、ヨハン・セバスティアン・バッハの「平均律クラヴィーア曲集」最初の前奏曲を、グレン・グールドのピアノで演奏したものだ。
そのメッセージの意味をもっと一般的に言うと、
「知的生命体がここにいる」だろう。
畜音盤にはそのほか、さまざまな文化の音楽サンプルや、地球上の代表的な音が収録されている。風、波、雷。55言語でのあいさつの音声。コオロギ、カエル、クジラの声。汽笛、荷馬車の走行音、モールス符号の打鍵音。畜音盤にはカートリッジと針、絵文字での簡単な取扱い説明書が添えられている。
委員会は、畜音盤のプレーヤーや電源には頓着しなかった。おそらく宇宙人たちはアナログの金属の溝を、自分たちの大気として働く流動体中の波形、または宇宙人の五感に適した別種の入力データに転換する方法を見つけるのではないかと。(切抜/ジェイムズ・グリック「インフォメーション」より)


先日ある人との梯子酒の際、今日の主題は「ロマンとは何か」について考えてみながら呑もうということになった。結末はしどろもどろに終わったが、この試みなどはファンタジーやポエムやドリームとはちょっと違う気がして、例えば「ロマン」の一種ではないかと思っている。
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エビ、エビデンス。

2013-11-06 | 世界の写窓から
(image source)

エビデンス(evidence)とは平たく言うと根拠のこと。

随分前になるが、あるおっさんに今巷を賑わせている一流レストランに連れてってもらったことがある。

「わしエビ好きでなぁ。ここのエビ料理は美味いでぇ、やっぱりエビと言えばクルマエビやないとあかん、どや、やっぱりちがうやろ?」

と、ごちそうになったのは私だけではないだろう。

私はその後のこの人の消息を知らないが、どんな気持ちでいるのだろうと心を痛めている。

エビがタイガーだったなんて。

写真のエビはキングコングシュリンプというらしい。変異種である。

クルマもタイガーもキングコングもその名自体に明確な根拠はないのだろうが、車も寅さんも一緒にしては罪つくりのような気がする。

そのおっさんは、怒鳴り込んだだろうか?返金を求めに行ったろうか?妙に納得しているだろうか?頭をかいているだろうか?

どちらにしても、きっとそのエビを好きだったことの根拠を噛み締めているのだと思う。
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シティマウスとカントリーマウス。

2013-11-05 | 壹弍の賛詩悟録句樂帳。
(image source)

都会のネズミは田舎暮らしにあこがれました。

田舎のネズミは都会暮らしにあこがれました。

田舎のネズミに田舎はどんなところだと都会のネズミは尋ねました。

都会のネズミに都会はどんなところだと田舎のネズミは尋ねました。

しかし田舎から出たことのない田舎のネズミは田舎の形容ができません。

同様に都会から出たことのない都会のネズミも都会を形容できませんでした。

果たして二匹のネズミは何にあこがれたのでしょう。

実際に行ってみれば解かる。というようなことでもないようです。

都会と田舎のどちらがいいか?等ということは、両生類のカエルに陸上と水中とどちらがいいかと聞くような野暮な質問かも知れません。

両方の実情を理解するということは、なかなか難しいものだということを二匹のネズミは知ったようです。

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