南無煩悩大菩薩

今日是好日也

実地力

2021-01-04 | 壹弍の賛詩悟録句樂帳。

/仙厓禅師)

賢しげな男が、文字を知らない男にこういった。

「世の中を上手く渡る秘訣はそれほど難しいものではない。ただただ「堪忍」という二字を固く守ってさえいればよいのだよ」

文盲の男はしばらく考えていたが、

「そうですか。しかしですな、‘かんにん’ とは二字ではなく四字じゃありませんか」と、そしてか・ん・に・んと指を折って数えながら「たしかに四字ですわ」と言う。

「君は実に頭の悪い男だね。堪忍とは堪え忍ぶ(たえしのぶ)という二字なのだよ」

「あんさんこそ間違ってます、‘たえしのぶ’なら五字になります。わしはなんといわれても四字にしかおもえませんから、四字で‘かんにん’してあげましょう」

「君のような愚か者は相手にならない、昔から馬鹿と阿呆につける薬はないというが、全くその通りだ」

と賢しげな方は怒って大声を上げたが、文盲の方はいたって冷静に、

「なんとでもいいなされ。わしはどんなにバカにされてもだいじょうぶです。なにせかんにんの四字の秘訣を教えて貰ったのでなぁ」

 

気に入らぬ風もあろうに柳かな

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一休一路

2021-01-02 | 野暮と粋

/雪舟)

初見の一路居士に一休問うて曰く、

「萬法道あり、いかなるかこれ一路」

居士言下に一休に応える、

「萬事休すべし、いかなるかこれ一休」

新日本紀行 BGM用

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

牛にあやかる。

2021-01-01 | なんとなく落書。

牛ハノロノロト歩ク 

牛ハ野デモ山デモ道デモ川デモ

自分ノ行キタイトコロへハ

マッスグニ行ク 

ヒト足、ヒト足、牛ハ自分ノ道ヲ味ハツテ行ク

何処マデモ歩ク  遅レテモ、先ニナツテモ 自分ノ道ヲ自分デ行ク  抜粋/高村光太郎「牛」より

 

うしのきんたまもすごい。

ぶらりぶらりと落ちそうで落ちず。

すこぶる大丈夫なるは牛の睾丸なり。

牛は慌てず浮つかずしぶとく、歩き 止まり 座り 臥す。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする