バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

作品に添える評価の意味

2012-05-01 09:10:48 | 
 公募展最終日なので、新国立美術館へ行ってきた。隣でエルミタージュ美術館展やセザンヌ展やっていたからついそちらにも入りたくなるけど、はしごする時間なし。テラスでお茶の余裕もなく、乃木坂駅から美術館までの一歩も無駄な動きのない直線ルートで往復してきた。
 地下鉄乗っている最中は気にならないのに、乃木坂駅ホームに降りた途端、『私美術館行きまっせ』風の人が急激に増える。あの人はきっと芸術家だろうと思わせる、ポリシーのこもったファッションのおばさん。地味目に正装した中高年カップル。その人の流れでワーっと駅から美術館まで歩く。しかしそのほとんどは公募展ではなく、企画展に入っていった。連休だしね。これらはまだしばらくやっているから、またの機会に平日午前中ゆっくり見るっていうことで。
 絵の価値っていうのは実はよくわからない。この絵いい!って自分が感じればそれでいいんだろうけど、そういう意味では企画展は、既に社会的評価を得た作品群だから、皆信用して安心して「ホー」ってうなることができるのですよね。その点公募展となると、もちろん審査を通った作品ばかりだからある一定のレベルをクリアしているんだけど、自由に感じながら好きな絵を鑑賞することができ、これはこれで楽しいし勉強になる。しかし自由に感じればいいとはいえ、脇に○○大賞作品などと添えられていると、やはりその作品は格別に見えるのです。受賞理由はその作品に対しての評価だけではなく、作者の永年の実績に対するものが含まれるとしても、通りすがりの鑑賞者にはそのような作者の去年までの努力は知る由もない。
 
 ダッシュでの帰路となる。
 ショッピングセンター駐車場に止めたので、駐車代金無料にするためにとにかく最後にここで買い物しないといけない。5千円以上の購入で最高5時間まで無料というのだから、ということはあと1時間以内になにがしかの買い物をしないといけない。こういう状況になると、なぜか欲しいものが思いつかなくなる。店内ぐるぐる回っても、ない。そうこうしているうちにあと45分。仕方ないから1階で食料品買うかと売り場に向かうと、コーヒー豆売り場の前に出た。そうだ,うちの豆そろそろ終わりそうだからここで買うとするか。そこそこの人だかりできているから、それなりの店なんだろうとモカ200グラム豆で購入。ついで書店に向かう。やはりここにも、いざとなると買いたい本がみつからないけど、無理矢理雑誌を買う。5千円には未だ遠いけど、店員さん曰く、これで5時間無料ですっていうから、この時点で一目散に駐車場へ向かう。とにかく早く帰りたい。駐車場出るのに20分待ち。ここはいつもこう。これじゃ、5時間すぎちゃうじゃん、ってイライラしながら外に出て、ダッシュで帰宅。
 何をそんなに急ぐかって、絵を描くため。思いついたものを一気に描きたい。とりあえず色を置かないと。
 帰宅後1時間ほど描き込んだところで、乾かないとこれ以上先へいかれないから、本日はここまで。でも、かなりスッキリした。後は数日眺めて微調整していこう。

 そして購入した豆をひいてコーヒー飲むことにした。「豆のままでいいのですね?」と若いお姉さんに念押され、お店で真空パックにしてもらったアルミの袋にハサミを入れても、香りがしない。ん?挽いている最中も香ってこない。泡がいつもの半分程度しか立たない。いぶかしい気持ちで、いれたてをソムリエ風に口の中で転がす。まずい!なんじゃ、これ!
 すっごい無駄使いした。こんなことなら、普通にコインパーク止めて、普通に駐車代払った方がよかった。
 見てきた絵の脇の受賞札は,鑑賞者へのアドバイスになるけど、コーヒー豆屋のひとだかりは必ずしもそうでないっていうこと。