バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

ことばの力

2012-07-08 09:42:00 | ライフスタイル
 先日OBが、「先生のメール、絵文字全くないから、なんだかさみしい」とのたまったから、思わずチャーと顔を見合わせてしまった。絵文字ないことを批判的に追求されたチャーは心なしかしょんぼりと、「絵文字使ったのはハートマーク、一回だけ。」って答えていた。
 絵文字は使わないようにしている。伝えたいことは活字で表せばよいので、安易に絵文字に頼りたくない。そういう主義主張を通している。でも、家庭内業務連絡メールの語尾に赤いハートマークがついていた時、文字だけにはないものがモワーンと漂ったあの感覚。それはそれで悪くなかったね。

 若い子達、実に他人に気を遣っている。メールが来たらすぐ返さないといけないといって、一日中携帯チェックしている子。実名のfacebookではみんないい人。人の批判する子いないし、みんな優しい。「それは人に嫌われたくないからですよ」って中くらいの若い子が分析していた。そうなんだよね、嫌われたくないから相手への言葉にとても気を遣う。そして伝えきれないニュアンスを絵文字に託す。句点の代わりに赤いハートをつける程度なんじゃなくて、そこには意志が込められているのですね。

 みんな対話による相互理解が大事だとわかっている。気持ちを伝えたいと思っている。でも語彙力が不十分で活字で対話はうまくできないこともわかっている。もし表現できたとしても,相手が正しく受け取るかどうかはわからない。相手が同次元の読解力とは限らないから、下手に活字で表現して誤解を生むよりは、共通言語となる絵文字で行間表しておいた方が便利なんだよね。
 などと、絵文字使用を許容しつつある今日この頃。使うかどうかは別物だけど。
 絵文字を使ってまで理解し合いたい,対話を成立させたいという要求をデジタル文化の若者も持っていることを評価しつつ、もしかしたら絵文字を使わないできたこちらの言い分は、これまで相手に十分伝わっていなかったのか、と思い始めた今日この頃。そういえば、なんでこんなことで誤解されるのかってことあったしね。

 それはさておいて、それでも鳥肌ものなのは。語尾の(笑)や(涙)のたぐい。
 「うまく言えないんだけど,わたしのこと誤解しないでね。」っていう媚びが漂う。そして後ろでペロッて舌を出している姿が目に浮かんでしまう。
 こういうのって、自分だけかな。