バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

主語が人ではなく,物になる時。

2012-07-17 09:01:18 | ライフスタイル
 東武線車内にて。
 部活帰りに女子高校生が3人立っている。その高校生の前に座っているおばさんが、降りようと座席を立った。その時、おばさんの膝から白いカーディガンがハラリと床に落ちた。「あら、汚れちゃう」と払いながら拾う図が予想されたが、気の毒なことに、それを自分で踏んでしまい、それでも尚気づかず出口に向かった。おばさんが自分のカーディガンを床に落とし、さらに自分で踏んでしまった時、「あっ!」という空気が車内に流れ、そのまま足早に降りようとするおばさんの後ろ姿に,「あー」という声にならない声が響いたその時、前に立っていた女子高生がそれを拾い、おばさんを追いかける。
 「落ちましたよ。」
 「あ、どうも。」
 何もなかったかの様に、女子高生達はそのままおしゃべりを続けた。
 
 それがどうしたって、女子高生がとっさにかけたことばの意味を考えるのです。
 「落としましたよ。」でなく、「落ちましたよ。」
 落としましただったら、主語はおばさん。落ちましたよ、だと主語はカーディガン。
 不覚にも白いカーディガンを床に落としてしまい、しかも自分で踏んでしまったという年配女性に対して、「落としました。」では、行為者がおばさんであることを強調していて、おばさんに対して高飛車にな言い方になってしまう。だからとっさに、「落ちました。」となったのでしょう。

 などと考えているうちに,川間に到着。