バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

対話力

2012-07-10 16:25:29 | ライフスタイル
 頭が痛い。ずーっと同じところが痛い。もともと頭痛気味だけど,同じ場所が四六時中痛いのは今までにない症状。それが数ヶ月続いている。きっと何か原因があるに違いない、という布石はあった。
 夕食後テレビを見ながらウトウトした。番組の一部がストンと記憶から抜け落ちている。目を覚ましてからも,頭がはっきりしない。ろれつが回らない。頭の痛みが増し,頭部全体がもわーっとしている。これはまずいのでは。
 翌日すぐ病院へ行く。受付で口早にそのような症状を話すと,内科に行くように言われた。ここは脳外科ってもんでしょ、と少々不信。でもまずは症状を聞いて、そのあと脳外科に回すっていうことかと思い直す。呼ばれるのを待っていると,看護師が簡単な問診をする。そのときも昨夜の状況を語り始めると、「そういうことは診察の時に言って下さい。」とてんで人の話聞く気がない。「どうしましたか?」って聞いてきたからそう言っただけなのに、とぶつぶつ。そしてほどなくして診察に呼ばれた。
 医者は,チラッと一瞥しただけで、問診内容をポチポチとパソコンに打ち込んでいる。カチャカチャとブラインドタッチではなく,人差し指でポチッ、ポチッって。キーボードとモニターを交互に顔近づけブツブツ言いながら入力している。笑っちゃう光景。こりゃだめだ、って状態。
 症状説明って難しい。特に痛みの表現。うまく一言で説明できないかったから先の説明を言い直したら、「あんた、だってさっきこう言ったでしょう!」って初めてこちらに顔を向けた。入力し直さないとならないのが大変なことなんだね、と同情しちゃう。
 「で、そんなに頭が痛くなるようなこと,昨日は何していました?」って急にこちらを向いて話しかけてきた。何してたって,仕事です。「どんな仕事なの?」と超詰問調。最初は適当に説明していたけど、途中「塾」というキーワードが入ると「ん」って反応し、それをきっかけに態度が軟化したかのように感じられた。
 睡眠時間は?と質問を重ねる頃には、パソコン作業から離れて完全にこちらに向き直っていた。「そりゃ、疲労だわ。それって寝不足の時の症状じゃない。」そういえば、そうだ。完全に寝不足の症状だ。ろれつが回らないって,寝言ってことじゃん。なんでこんなことで病院まで来たんだろうと思ったそのときには、もう早く診察切り上げてもらってチャッチャと家帰ろう、と思うのに。
 医者はそれでも、うーんといろいろ考えている。そう言えば昨日コーヒー飲んだだけで水飲んでいないと、こちらから診察に終止符を打つための有益情報出しているのに、それでも「うーん」と続く。
 そこから先は,診察ではなく、「対話」。
 話しているうちに早く帰ろうと思う気持ちより,もう少し話していようかという気持ちになり、最初の「この先生だめだ」の印象が「この人すごい」に変わっていた。
 「頭痛やめまいに効く漢方薬出せるけど、どうする?」薬ってもらってもほとんど飲まないし、ましてや粉薬じゃまず飲まないだろうけど、なんとなく飲んでみようかなって気になり、出してもらうことにした。
 そして1週間分の漢方薬に律儀に日にちを書き込み、完全に飲みきろうとしている自分。こんなこと初めて。