日々色々な修理が入ってきますが、修理で気になったことがいくつかあります。
1994年式で、ほとんど走行していない車両を預かり、走行可能にする作業を受けました。外観が綺麗なので、まず、キャブレターから始めたのですが、過去に、開けた形跡は、あるのですが、各部が固着していたので、全分解になりました。

細かい通路部分も錆びていたり、ガソリンの劣化した成分が残っているので、全て分解しました。組み上げて、オーバーフローしないとよいなと思います。Vmaxのキャブレターには、エンリッチャー機構が付いていますが、この部分の動きが悪いと、アクセルを閉じた時に、エアカットが適正量でないと、アフターファイヤーが出ます。また、パーシャル時でも細かく作動していますので、正常な動きをしていないと、調子は悪くないが、いまいち安定しないという症状が出ることもあります。国内仕様は、この部分のスプリングが逆車より柔らかく反応がよいのでアクセルへの反応が速く好みです。
別件ですが、年式が古くなってくるとボルトの穴がダメになる場合もあるので、最近、ヘリサート加工を行なうことがたまにあります。ネジ山がダメになった場合、少し穴を広げ、タップを立て、ヘリサート(新しいネジ山)を挿入します。

写真は、フロントフォークのスタビライザーの部分です。
次は油脂類の件ですが、クラッチフルードで、どうしても吸湿性があるので、定期的に交換していても、レリーズ(エンジン側)がダメになることがあります。
 
写真が構成部品ですが、エア抜きのブリードが上方にあるため、下側に、何か溜まった場合は、抜くことが困難です。

この部分で、ピストンが横にスライドするので、経年変化で、どうしても削れ、ガタが出て、作動が悪くなってきます。また、写真のように錆が発生し、フルード漏れの原因になることもあります。
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