青春の一枚(2)

男兄弟に挟まって育った私はＳＦ系のアニオタだった。小学校６年当時に放映されていた『マクロス』は兄弟３人揃って食い入るように観ていた。
小学校２年から漫画チックなイラストを描いていた私は、何度も何度もミンメイを模写し、結果的に当時の美樹本晴彦的なタッチは自分の画風になっていった。キャラクターを描くのが専門の私も、一度だけバルキリーを注意深く模写して小学校に持って行き、男子クラスメートの驚嘆の眼差しをさらったものである。
当然、真理さんの歌声にもハマった。と言っても当時、真理さんのアルバムで買ったＬＰは、ベスト盤『バリエ』とこの『midori』の２枚だけだったが。真理さんのラジオ番組は、『Coquettish Blue』の頃までは聴いていた記憶があるが（大瀧詠一さんがゲストとしていらしたのが印象に残っている）、曲として頭に残っていたのは、１２インチシングル「遥かな微笑み－黄土高原－」までだった。
大学３年でトランペットを断念した私は、サークル仲間を裏切ったという罪悪感から、音楽を捨て去る決心をした。大学４年になって、就職活動で交通費に困った私は、矢野顕子以外のＬＰとＣＤは全て売り払った。勿論、このアルバムとても例外ではなかった。今持っているのは《Ｑ盤》で、今世紀に入ってから買ったものである。
買い直して驚いたのは、自分が歌詞の隅々までよく覚えていたことだ。それだけ聴き込んでいたということなのだろう。
今考えると、大学のビッグバンド演奏で書きソロを作る上で下地になっていたのは、このアルバムだったという気がする。「僕の魔法」での音の跳躍、「ひとりぼっちが好き」での８分音符のメロディの組み立て、「Girl Friend」の３連ノリ、「恋は気ままに」のフレーズの区切り方…。
今でも、天気のいい昼間や、逆に入眠用にこのアルバムを持ち出してくる。みんな、デビュー作の方がいい、いいっていうけど、確かに「Blueberry Jam」や「まりン」など絶対的に譲れない名曲もあるけど、アルバム・トータルでみたら、個人的には今でもこっちの方がお気に入りだなぁ…。

私の今のスクリーンセーバー(15)

Surely you desire truth in the inner parts;
you teach me wisdom in the inmost place.

（詩編５１章６節）…New international Version


新共同訳では、

「あなたは秘儀ではなくまことを望み
　秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。」

（詩編５１編８節）