2021年度~2025年度の科学技術・イノベーション政策の方針をまとめたものです。2021年1月16日に基本計画の素案がまとめられ、同3月26日に閣議決定されています。
この基本計画は、2020年6月に成立した、「科学技術基本法」(1995年制定)の改正版「科学技術・イノベーション基本法」を踏まえて策定されたものです。ちなみに、第1期~第5期は「科学技術基本計画」という名称で、第1期が1996~2000年度、第2期が2001~2005年度、第3期が2006~2010年度、第4期が2011~2015年度、第5期が2016~2020年度をそれぞれ対象とした計画でした。
この基本計画の大目標として、「持続可能で強靭な社会への変革」や「一人ひとりの多様な幸せ」の実現が挙げられていますが、その下で、(1)社会変革(即ち、第5期の継続で、DX、脱炭素、スタートアップ育成など)、(2)研究力強化(即ち、博士課程学生・若手研究者の支援、大学ファンドの創設など)、(3)教育・人材育成(即ち、初等中等段階からの教育、社会人の学び直しなど)の3点を柱にまとめられています。5年間の研究開発投資の目標は総額で過去最大の30兆円(官民合わせた総額が120兆円)となっています(注:第5期の目標は26兆円)。
2020年6月に改正された上記「科学技術・イノベーション基本法」では、「従来、対象としていなかった人文・社会科学のみに係るものも法の対象とされ、加えてあらゆる分野の知見を総合的に活用して社会課題に対応していく」という方針が示されており、本基本計画では、これを受けた形で、科学技術・イノベーション政策が、人文・社会科学と自然科学を含むあらゆる「知」の融合による「総合知」の活用により、人間や社会の総合的理解と課題解決に取り組むことが示されています。
科学技術・イノベーション基本法のWebページは、https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC1000000130です。
本基本計画の関連資料をとりまとめた、政府のWebページは、https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index6.html(内閣府)です。