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毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

4年生の会話       2011年10月4日(火)  No.204

2011-10-04 23:34:46 | 中国事情
 10月1日に花火付きケーキを持ってきてくれた4年生達の話は、いろいろ興味深いものがあった。

 まず、プリプリ怒っていたのが楼さん。
大学院推薦入学を勝ち取るため、春の江西省の「江鈴杯スピーチコンテスト」に臨み、見事最優秀賞の栄冠に輝いて、すっかり安心していた彼女に、突然、寝耳に水のライバルが出現したのだ。日本語学科で他に推薦審査に名乗りを上げていた学生は今まで誰もいなかったのに、締め切りギリギリで申し込みが一人出て来た。
その子は、かなり用意周到で、密かに一年生、二年生の時に成績が悪かったクラスを再度受け直し、高得点を得て、一年から現在までの平均点を90点以上に整えていた。楼さんは平均点ではその学生に及ばない。ただ楼さんは、2回校内の優秀活動家に送られる賞を得ている。スピーチコンテストでの成績もポイントに加わっていたので、勝負は互角かと思われたが、面接でそのライバルは、
「日本語学科クラスで成績が最も優秀なのは誰ですか。」
と聞かれ、
「私です。」
と平然と答えたと言う。
「最も優秀なのは範さんです。彼女は2番です。」
と、楼さんは我が宿舎でブーブー怒っているが、その面接現場では口を挟めなかったそうだ。
(それもそうね。面接官の前で喧嘩しちゃ、あんまりイメージ良くないわ)

そして、結果、楼さんは落ちて、その嘘つき学生が合格した。楼さんは悔しくて夜も眠れず、落ち込んで風邪までひいた。しかし、楼さんは自ら「B型ですから~。」と自負するように、落ち込みが長続きしない。我が家に来たときには、かなり回復基調で、さんざんライバルへの文句が言えるくらいになっていた。
それにしても、そのライバルは日頃から何かとせこい子だ。現在、私の授業も
「上海の日本語学校に助手として実習に行きますから、しばらく欠席します。」
と言っておきながら、ずっと寮に居るという。何人もが証言しているので確かだろう。こういうセコ技学生が、大学院進学の推薦を受けて合格するのは、とても嫌な気持ちだ。成績が良いと言っても、受け直して修正した成績だ。そこまでするのだったら、楼さんがずっと前から、クラス全員に自分の推薦進学希望を述べているのだから、自分も何らかの形で楼さんの耳に「私もそれを希望している」旨を伝えておくのがフェアなやり方だと思う。なんともはや、爽やかじゃない感じ。

 この日、私が作ったのはお馴染みのカレーライスと、スパゲティという取り合わせだった。江西省であまり見かけない料理を紹介するのも、学生を宿舎に招く理由の一つだ。
私はわざわざ大阪のコーヨー鮮度館で買ったデュラム小麦のスパゲティ麺を持参し、ケチャップは全家百貨で買って、スパゲティ・ナポリタンをご馳走した。
「…甘い。」
これが一口食べた感想。(何でやねん。塩もこんだけ入れてんのに)と私は不満だったが、黄さんが
「先生、辣豆腐、冷蔵庫にありますか。」
と言って、運んできた。そしてスパゲティと混ぜて食べている。他の子達も次々と真似をして、
「あ!辣豆腐と混ぜたら美味しいわ!」
などと言っている。ケチャップの味が甘すぎると感じているのだ。
私がベトナムのうどんを食べたときと似たような違和感があるのだろう。しかし、私的には上手にできたナポリタンだったのに…。
 食べながら、あれこれペチャクチャ喋っていて、範さんが楼さんと郭さんに、
「二人が恋愛関係を確立したのはいつだったですか。」
などと聞いている。
「つまり、付き合いだしたのはいつか、と聞いているんですね。」
と私が通訳して二人はようやく、そんなに難しい質問を浴びせられた訳ではないと安心した。

 食後、サンヨーのラジカセで音楽を聞いてリラックスした。
おおたか静流にショパン、バッド=パウエル、フジ子=ヘミング、CANNED=HEATとまさにバラバラ。
ところで、今、黄さんと範さんが一番好きだという曲は、浅川マキの「夜が明けたら」なんである。これは完全に私による洗脳なんである。去年、私が赴任したばかりのころ、彼女たちの愛唱歌は「おじいさんの古時計」だった。彼女たちはちょっと大人になったのである。

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