4年生の中には、もう8月から働いている学生もいる。8月末の新学期開始以来一度も授業に出て来ない。そりゃ大学にいないから無理だ。学校ではそれを認めているし、授業の単位も取りなさいと言う。
この矛盾を調整するために、私は自分のクラス「商務日語」を受講する学生のうち、就職した学生は「実習レポート」を提出することを課題にした。
既に何通か届いているが、その中から、深圳(セン)で8月から就労している王えいえいさんのレポートの一部を紹介しよう。深センという都市の様子もちょっとだけ感じ取ることができるし、中国の会社の雰囲気も伝わってくる面白いレポートだ。資料なども添付されていて(ここでは割愛)、授業の役にも立つ。(えいえいさん、えらい!)こういうレポートが届くと、とても授業の励みになる。
実習リポート 王えいえい
競争の激しい所だと言われる深圳に私は初めて来ました。電車を降りる際、往来する人々の歩くスピードに気がつきました。なかなか早いですね。
今働いている会社は委託加工の工場です。日々、電話の応対、メールの返信、伝票やインボイス、パッキングリスト等を取り扱っています。初めは分からないことだらけで、毎日、
「レジストとは何ですか、ガーバーデーターとはどういうデーターですか?」
といった問題で混乱していました。
深圳は地域によって、物価が違っています。深圳は関内と関外とに区分されています。関内は主にハイテク産業や競争力を持つ会社の所在地で、関外は主に加工工場や、技術力が劣った会社の集合地です。だから、給料も物価も地域によって、違っています。
今働いている会社は関外にあるので、物価はそんなに高くありません。詳しく言えば、わたしを例にとって見ましょう。朝の肉マン1.5元/二つ、野菜マン1元/二つという消費物価レベルです。、一般的には会社が給料の中から毎月の食費(200元あまり/月)を差し引いて銀行口座に送金します。さて、今私の給料は3200元/月で、週5日、8時間/日働きます。
うちの会社PCB基板(printed circuit board)を生産します。
来たばかりの時、製品の代表コードやら、生産プロセスやら、各生産設備の名前や作用、様々な証票の取り扱いなどが全然分からなくて大変だったんです。それに知っている人が一人もいませんでした。そのうえ、日本語のできる人も私しかいないので、お客様から納品催促された時や文句を言われた時、本当に泣くほどさびしくてしょうがなかったです。
今はもうだいぶここの生活や人間関係などに慣れて、毎日楽しく過ごしています。来たばかりの時、同僚もマネージャーも私を「王栄栄」と呼びましたが、私は(あなたたちが私を‘栄栄’と呼ぶように頑張るぞ!)と決心しました。まあ、今の状態といえば、私達営業部の女の子一人は、私を「お婆さん」と呼ぶようになり(黄斯麗もうこう呼ぶよ)、もう一人の女の子からは「肉肉ちゃん」と呼ばれてしまった。経理さんにもやっと栄栄と呼ばれるようになりました。あだ名をつけられても、心の底から嬉しかったです。
うちの会社のお客様も大変有名ですよ。シャープと三菱もその中にあります。日本からの注文も多い。でも、弊社では、ある言葉が流行っています。
「日本からの注文は“圣旨”です。」
先生は分かるでしょうね。彼らは日本からの注文や委託などを中国の古代の皇帝の命令と比喩していますよ。これも側面から、日本人の謹厳さを表していますね。
この二か月間の社会生活を通じて、仕事に対する責任感の大切さや、各部門の協力の重要さをしだいに心得てきました。日本人の、仕事やものごとに対する真面目さや計画性もしみじみ感じています。日本のお客様がサンプル製造を委託するとき、必ずサンプルの出荷日や数量を確認し、時間を厳守しなければなりません。二か月や三か月後の注文予定も確定内示で連絡してもらえます。
先生に一つ情報を伝えたいです。私のいる地区では、多くの会社は補助金を与えます。
日本語一級に合格すれば500元/月、英語の6級に合格すれば、500元/月の補助金がもらえます。だから、みんなの未来も明るいですよ。
[注釈]えいえいさんは、全然太っていない。「肉肉ちゃん」は、彼女の顔が丸顔で、いつもニコニコしているのでついたあだ名かと思う。彼女は大学に二浪で入った。他の同学年の子よりちょっとだけ年上なので「お婆さん」と呼ばれるのだろうか。中国の表現は強烈だなあ。
この矛盾を調整するために、私は自分のクラス「商務日語」を受講する学生のうち、就職した学生は「実習レポート」を提出することを課題にした。
既に何通か届いているが、その中から、深圳(セン)で8月から就労している王えいえいさんのレポートの一部を紹介しよう。深センという都市の様子もちょっとだけ感じ取ることができるし、中国の会社の雰囲気も伝わってくる面白いレポートだ。資料なども添付されていて(ここでは割愛)、授業の役にも立つ。(えいえいさん、えらい!)こういうレポートが届くと、とても授業の励みになる。
実習リポート 王えいえい
競争の激しい所だと言われる深圳に私は初めて来ました。電車を降りる際、往来する人々の歩くスピードに気がつきました。なかなか早いですね。
今働いている会社は委託加工の工場です。日々、電話の応対、メールの返信、伝票やインボイス、パッキングリスト等を取り扱っています。初めは分からないことだらけで、毎日、
「レジストとは何ですか、ガーバーデーターとはどういうデーターですか?」
といった問題で混乱していました。
深圳は地域によって、物価が違っています。深圳は関内と関外とに区分されています。関内は主にハイテク産業や競争力を持つ会社の所在地で、関外は主に加工工場や、技術力が劣った会社の集合地です。だから、給料も物価も地域によって、違っています。
今働いている会社は関外にあるので、物価はそんなに高くありません。詳しく言えば、わたしを例にとって見ましょう。朝の肉マン1.5元/二つ、野菜マン1元/二つという消費物価レベルです。、一般的には会社が給料の中から毎月の食費(200元あまり/月)を差し引いて銀行口座に送金します。さて、今私の給料は3200元/月で、週5日、8時間/日働きます。
うちの会社PCB基板(printed circuit board)を生産します。
来たばかりの時、製品の代表コードやら、生産プロセスやら、各生産設備の名前や作用、様々な証票の取り扱いなどが全然分からなくて大変だったんです。それに知っている人が一人もいませんでした。そのうえ、日本語のできる人も私しかいないので、お客様から納品催促された時や文句を言われた時、本当に泣くほどさびしくてしょうがなかったです。
今はもうだいぶここの生活や人間関係などに慣れて、毎日楽しく過ごしています。来たばかりの時、同僚もマネージャーも私を「王栄栄」と呼びましたが、私は(あなたたちが私を‘栄栄’と呼ぶように頑張るぞ!)と決心しました。まあ、今の状態といえば、私達営業部の女の子一人は、私を「お婆さん」と呼ぶようになり(黄斯麗もうこう呼ぶよ)、もう一人の女の子からは「肉肉ちゃん」と呼ばれてしまった。経理さんにもやっと栄栄と呼ばれるようになりました。あだ名をつけられても、心の底から嬉しかったです。
うちの会社のお客様も大変有名ですよ。シャープと三菱もその中にあります。日本からの注文も多い。でも、弊社では、ある言葉が流行っています。
「日本からの注文は“圣旨”です。」
先生は分かるでしょうね。彼らは日本からの注文や委託などを中国の古代の皇帝の命令と比喩していますよ。これも側面から、日本人の謹厳さを表していますね。
この二か月間の社会生活を通じて、仕事に対する責任感の大切さや、各部門の協力の重要さをしだいに心得てきました。日本人の、仕事やものごとに対する真面目さや計画性もしみじみ感じています。日本のお客様がサンプル製造を委託するとき、必ずサンプルの出荷日や数量を確認し、時間を厳守しなければなりません。二か月や三か月後の注文予定も確定内示で連絡してもらえます。
先生に一つ情報を伝えたいです。私のいる地区では、多くの会社は補助金を与えます。
日本語一級に合格すれば500元/月、英語の6級に合格すれば、500元/月の補助金がもらえます。だから、みんなの未来も明るいですよ。
[注釈]えいえいさんは、全然太っていない。「肉肉ちゃん」は、彼女の顔が丸顔で、いつもニコニコしているのでついたあだ名かと思う。彼女は大学に二浪で入った。他の同学年の子よりちょっとだけ年上なので「お婆さん」と呼ばれるのだろうか。中国の表現は強烈だなあ。