他の地域出身の大学生の間で、ここ、南昌はすこぶる評判が悪い。「ガラが悪い」「どろぼうが多い」「交通ルールを守らない」等々。
そうかも知れない。他の地域を知らないので、そんなふうに言われたら、そうか、そうかと聞くのみである。でも、そんな南昌でホッコリするときもあるのである。
最近スクールバスが来ないことが多いので、おのずと「ガラの悪い」ミニバス(むりやり10人乗せるバン)を利用する機会が増えた。
スクールバスの代わりに市バスに乗ろうと、停留所で待っていると、そのバス停に横付けして、ミニバス運転手が「楓林!麦路園!一快銭!!」と叫ぶのだ。楓林は蛟橋キャンパスから麦路園キャンパスに行く途中にあるやや小さめの財大キャンパスだ。初め、このかけ声が「オンリー! マイルーユエン!」と聞こえ、(麦路園だけに行くと言っているのだな)と信じていた。しかし、なぜ「オンリー」と英語で言うのか?と不思議だった。半年ほど後になって、学生に聞くと
「オンリーじゃなくて、フォンリン(楓林)と言っているんです。」
と、あっさり謎が解けた。
ミニバスの運転手たちは、みんながみんな、とても日に焼けている。麦路園キャンパスの門前では、夏になると全員がシャツを脱ぎ、上半身裸でゴロゴロしている。校内から学生が出て来ると、「楓林!蛟橋!」と、行き先のキャンパス名を大声で怒鳴る。若い女子学生の中には、その裸の男達の怒鳴り声を聞いただけで怖くなるという子もいる。
先日、宿舎のある蛟橋キャンパス前の市バス停留所で520番のバスを待っていた。そこにミニバスが来て、何度か乗ったことのある見覚えのある運転手が顔を出し、「楓林!麦路園!一快銭!!」と叫んだ。
誰も乗らない。520番が来たらできるだけそちらに乗りたいのだ。とにかく、交通事故が何回もあったという悪評判がミニバスにはあるので。
私は、早く行きたかった。そしてミニバスは麦路園キャンパスの門前にまで行ってくれるのも魅力だった。市バスはいつ来るかさっぱり分からない。なので、誰も乗っていないが、賭ける気分で先頭切ってミニバスに乗った。その後、どんどん学生が乗ってくるかと思いきや、ちっとも乗客は増えない。イライラしていたら、運転手が私に「来了!来了!」と言う。なんと、520番の市バスが来たのを教えてくれているのだ。
「謝謝!」と言って、車から飛び降り、市バスに乗り換えた。
ほとんどの運転手さんは短髪で真っ黒に日焼けし、人をジロジロと睨むように見る。でも、中には私が「全家百貨に行きたい」と言うと、店の真ん前に車を止めてくれた人もいる。学生が特等席(助手席)に座っていたら、「老師と変われ!」と怒鳴って私を座らせてくれた親切な?人もいる。みんな、私が「日本人老師」だと知っているようだ。一人「ハロー、こにちは!」と日本語を操る人まで出て来て、私は
(ガラが悪いのは心悪いということじゃない)と確信するのだ。
そうかも知れない。他の地域を知らないので、そんなふうに言われたら、そうか、そうかと聞くのみである。でも、そんな南昌でホッコリするときもあるのである。
最近スクールバスが来ないことが多いので、おのずと「ガラの悪い」ミニバス(むりやり10人乗せるバン)を利用する機会が増えた。
スクールバスの代わりに市バスに乗ろうと、停留所で待っていると、そのバス停に横付けして、ミニバス運転手が「楓林!麦路園!一快銭!!」と叫ぶのだ。楓林は蛟橋キャンパスから麦路園キャンパスに行く途中にあるやや小さめの財大キャンパスだ。初め、このかけ声が「オンリー! マイルーユエン!」と聞こえ、(麦路園だけに行くと言っているのだな)と信じていた。しかし、なぜ「オンリー」と英語で言うのか?と不思議だった。半年ほど後になって、学生に聞くと
「オンリーじゃなくて、フォンリン(楓林)と言っているんです。」
と、あっさり謎が解けた。
ミニバスの運転手たちは、みんながみんな、とても日に焼けている。麦路園キャンパスの門前では、夏になると全員がシャツを脱ぎ、上半身裸でゴロゴロしている。校内から学生が出て来ると、「楓林!蛟橋!」と、行き先のキャンパス名を大声で怒鳴る。若い女子学生の中には、その裸の男達の怒鳴り声を聞いただけで怖くなるという子もいる。
先日、宿舎のある蛟橋キャンパス前の市バス停留所で520番のバスを待っていた。そこにミニバスが来て、何度か乗ったことのある見覚えのある運転手が顔を出し、「楓林!麦路園!一快銭!!」と叫んだ。
誰も乗らない。520番が来たらできるだけそちらに乗りたいのだ。とにかく、交通事故が何回もあったという悪評判がミニバスにはあるので。
私は、早く行きたかった。そしてミニバスは麦路園キャンパスの門前にまで行ってくれるのも魅力だった。市バスはいつ来るかさっぱり分からない。なので、誰も乗っていないが、賭ける気分で先頭切ってミニバスに乗った。その後、どんどん学生が乗ってくるかと思いきや、ちっとも乗客は増えない。イライラしていたら、運転手が私に「来了!来了!」と言う。なんと、520番の市バスが来たのを教えてくれているのだ。
「謝謝!」と言って、車から飛び降り、市バスに乗り換えた。
ほとんどの運転手さんは短髪で真っ黒に日焼けし、人をジロジロと睨むように見る。でも、中には私が「全家百貨に行きたい」と言うと、店の真ん前に車を止めてくれた人もいる。学生が特等席(助手席)に座っていたら、「老師と変われ!」と怒鳴って私を座らせてくれた親切な?人もいる。みんな、私が「日本人老師」だと知っているようだ。一人「ハロー、こにちは!」と日本語を操る人まで出て来て、私は
(ガラが悪いのは心悪いということじゃない)と確信するのだ。