小学生の頃、吉永小百合さんが好きで好きで、
当時、知床半島の根元の2万人ほどの人口の小さい町にあった
「斜里日活」という映画館に何度も通いました。
片道のバス代25円を節約するため1時間以上歩いて行ったものです。
「いつでも夢を」、「寒い朝」、「愛と死を見つめて」などは
今でもそらで歌えます。
吉永さんの鼻声も好きでした。
しかし、唯一我慢できなかったのは
よく一緒にデュエットしていた橋幸夫さんです。
私の耳には橋さんの声はべちゃ~~~っと粘っこくて
しかも、あの角刈り何とかならんのかと、
北海道の片隅の小学生の女の子はたいへん不満でした。
女性なら吉永小百合さん、
男性では山崎努さんが好きな小学生でした(笑)。
実は、吉永小百合さんが好きだったことは
思春期から大人になるにつれてずっと秘密でした。
吉永小百合が好きだったなんて、かっこ悪くて言えなかったんです。
その頃の自分の気持ちは
『平凡』や『明星』が推進する
「清純派スター」路線のアイドルが好きになるような
幼稚な馬鹿とは袂を分かった別人間だと思いたかったんでしょう。
吉永さんが「正統派美人女優」とか「早稲田大学に進学した才媛」とか
チヤホヤされていたのでなおさらダメでした。
代わって、太地喜和子さんや樹木希林さんが私にとって
カッコイイ女性俳優として登場しました。
歌手なら浅川マキさん、加藤登紀子さんですかね。
・・・・・・
何十年ものブランクを経て、近年また、吉永さんに再会しました。
フェイスブックでしょっちゅう、写真をお見かけするのです。
しかも必ず、反戦平和や辺野古基地建設反対のメッセージとともに。
ようく見ると、
小さい頃あんなに憧れていたスクリーンの中の吉永小百合さんと
今の吉永さんはやっぱり首尾一貫した同じ人のようでした。
(幼稚なりに私は、
ちゃんと吉永さんのこういうところを見抜いていたのかも)
と、我田引水、自画自賛する今日この頃の私です。
琉球新報2019年12月29日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1050201.html?fbclid=IwAR18OerhhOcOya8TJcJNGh_A8Dls2mS8844jXsCDt1BEIuB-yMkdkp9PNDY