photo by Phil Roeder via flickr (CC BY 2.0)
ハーバービジネスオンラインの記事に興味深いタイトルを見つけました。
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『サンダース現象と山本太郎現象は何が違うのか?
社会を変えるために本当に必要なもの』2019.09.22:月刊日本
熱い心と全身から吹き出るパワーで「れいわ新選組」の支持者を
一気に増やした山本太郎さんですが、
心配がないわけではありません。
支持者が山本太郎に向ける言葉、
「太郎さん、がんばって!」
「太郎さん、世の中変えてくれ!」
「太郎さんならやってくれそう」
・・・・・・・・・
危ないですよね、これ。
太郎さんに何もかもお任せする他力本願では、太郎さんが倒れたら
もう全てお終いになっちゃうじゃないですか。
太郎さんが黒社会の餌食になったら、私たちはまた、
アベ自民党や日本会議の奴隷になるんですか、ということです。
山本太郎は、ずっと言い続けていますよね。
「一人じゃできないんです。だから、
力貸してください!」
みんな、急いで、山本太郎に貸す力つけないと!
では私たちが力をつけるには、何が必要なのでしょうか。
「それは私たち自身が社会運動をすることだ」
と「月間日本」で経済思想家、斎藤幸平氏が話しています。
「月間日本」は保守系月刊誌だそうですが、
右だの左だの、安易なレッテル貼りは無意味ですから、
内容で良し悪しを判断しましょうよね。(ブルーはーと)
ーーー『サンダース現象と山本太郎現象は何が違うのか?
社会を変えるために本当に必要なもの』2019.09.22:月刊日本
山本太郎氏のカリスマ性が強烈な原動力となり、先の参院選で一大ブームを巻き起こした「れいわ新選組」。
民主主義や議会政治が否定され、次第に全体主義的傾向が強まり、その一方で外交や経済政策の失敗を隣国への差別扇動で誤魔化そうとする昨今の日本の政治に「NO」を叩きつけたい人々が、山本太郎氏のカリスマ性に賭けたこともそのブームの一因だっただろう。
しかし、本当に社会を変えるために、強烈なリーダーシップを持つ人を立たせることこそが必要なことなのだろうか?
『月刊日本 10月号』より、気鋭の経済思想家、斎藤幸平氏のインタビューを紹介する。
(ハーバービジネスオンライン)
サンダースと山本太郎の違い
なぜ社会運動を回避してはいけないのか
―― 日本で政治的リーダーに期待する声が大きいのは、焦りからではないでしょうか。日本の自殺者は年間2万人、自殺未遂者は年間50万人を超えています。それゆえ、社会運動に地道に取り組む余裕がなく、カリスマ的リーダーに直ちに社会を変えてほしいという思いが強くなっているのだと思います。
斎藤幸平氏:危機が深まれば深まるほど、劇薬によって一気に問題を解決したいという欲求が出てくるのは無理もないことです。しかし、それはすごく危険なことです。
たとえば、気候変動や経済危機のような緊急事態に対処する場合、法律や制度を一気に変えたくなる。ただし、その際、効率性を重視して、リーダーに全権を譲渡してしまうなら、全体主義に陥る危険性がある。
解決策の策定や決定を一人の人間や一つのグループに任せてしまうのは危ない。それが、『未来への大分岐』で、私や私と対談を重ねた海外の知識人たちの共通認識です。
しかし、最近の日本では、社会運動を回避して政治や政策に期待する傾向がどんどん強くなっています。左派の間で行われている「反緊縮」の議論が、その最たるものです。
彼らの議論は簡単に言うと、日銀がお金を刷れば経済が成長し、それによって再分配が行われるというものです。この一連の流れの中には、社会運動もなければ労働運動もありません。
日本では社会運動を盛り上げることが困難なので、政治家が制度を変えてくれることに期待しているわけです。
金融緩和や財政出動の意義を否定するわけではもちろんありません。しかし、仮に日銀が刷ったお金が社会保障に回ったとしても、それが現場でしっかりと運用されるかどうかはまた別の問題です。
そのお金を運用する事業体が貧困ビジネスばかりであれば、何の解決にもなりません。逆に低賃金や長時間労働、パワハラ・セクハラが蔓延する現場を増やす恐れさえあります。
実際に制度がどのように運用されるかは、現場のパワーバランスで決まってきます。だからこそ社会運動によって絶えず闘争していくことが重要なのです。
闘争を回避した制度改正は、実現の可能性が高そうに見えるのでつい期待してしまうのですが、むしろ事態を大幅に悪化させる危険性があります。
闘いの主戦場が選挙ではダメ
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https://hbol.jp/202261?fbclid=IwAR1_A-V94tM38-70sEOxKx5ZMsHLKvYwP9osJN6DlfLebbpd6RvdodR_N4U
斎藤幸平(さいとう・こうへい) 1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy(邦訳『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』)によって、2018年度ドイッチャー記念賞を日本人初、最年少受賞。新著『未来への大分岐』(集英社新書)では、マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソンら、欧米の一流の知識人と現代の危機について議論を重ねた。
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