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日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

中国の学生の勉強法  2010/11/27  No.16

2010-11-27 21:52:29 | 中国事情
 ここ南昌に来る前、以前南昌市の大学で日本語教師をしていた先輩が、「中国の学生はとにかく暗記、暗記、丸暗記ですから。」と教えてくれた。

 来てみると、やっぱりそうだった。学生の日記に「朝食後、7時15分から単語の暗記をした。」とか「朝、外で朗読をして暗記した。」などと書いてある。天気の良い日には、芝生に座って声を出して本を読む学生の姿も頻繁に見かける。私が大学生だった頃にも見たことがないような牧歌的な風景が、新鮮な清々しい印象で目に留まる。服装も、おしゃれだけれど日本の若者と比較すると、数段地味だ。本当に真面目な大学のキャンパスに見える。
  
 実は私も、語学に関しては基本的に丸暗記型だ。日本語教師養成講座の講義では、様々な語学学習法の中で丸暗記法は前近代的であり、あまり褒められたものではないように書かれていた気がする。しかしながら、たった1年間だけのおばさん留学体験で私が少しでも外国語(英語)が上達したとすれば、それはプレゼンテーション前の必死の暗記であり、日常的にも何度も忘れ、書いて暗記、唱えて暗記、また忘れてまた暗記を繰り返したことによるものだ、と確信している。

 ここの学生と嗜好が一致した私は、日本語で「あいうえお」を習ったばかりの1年生にも容赦なく宿題で20個の単語暗記を出す。週にたった一回の授業だ。20個じゃ追いつかないくらいだ。
翌週ミニテストをする。初めの週は35点だの50点だのが何人もいた。「信じられない低さだ!」と叱った。私は中国語が使えない。彼らはまだ日本語が分からない。仕方なく英語で授業をしている。英語ではどれくらいきつく言ったら良いか微妙なニュアンスが分からない。学生はズケズケ言う酷い先生と思っているだろうな。上手に修辞を使えるほど英語が堪能ではないのだ。
しかし、その翌週のミニテストでは、最低が80点。パーフェクトもたくさんいた。
ほら見てみい。やればできるじゃないか。
でも、一枚ずつ間違いをチェックすると、漢字は「お兄さん」と正解なのに読みがなが「おとうとさん」「おにんさん」になっていたり、「奥さん」と書かなければならないのに「奥」だけしか書いてなかったり、「あね」を「あぬ」「あれ」、「お父さん」が「おとえさん」e.t.c.
文字も覚え立てな学生が必死で覚えている姿が浮かんでくる。かわいい。
「出掛ける」という動詞を「そこまで」と書いた子がいた。申し訳ないが涙が出るほど笑った。

 ここでついでに教科書の文句を言っておきたい。だいたい、「みんなのにほんご」という教科書の定番があるのに、この大学では「簡単すぎる」という理由で今年度から中国の教科書を使っている。しかし、「出掛ける」などと急に難しい動詞が先に出てきて、肝心の「出る」はまだだ。
あげくに「赤とんぼ」「ゲロゲロ」など、1年生にあわてて教える必要がない単語が随所にある。なぜ「ゲロゲロ」が?!毎回「I hate this textbook!」と言いながらやっている。



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