ときどき、兵庫県に住む我が娘がフェイスブックのメッセージで、
孫娘「ちさ」の歌声や動画を送ってくれます。
ちさは3歳になったばかりの女の子で、
『ミックスジュース』を『ミックチュジューチュ』と言い、
『おそまつおんどで ちょちょいのちょい』も、
『おとまちゅおんなの とといのとい』と歌います。
しかし、サ行、タ行等の発音に課題を抱えつつも
彼女の歌いっぷりはたいへん堂々としていて、
私は日々、学生の度重なるミスにプリプリ怒っていても、
3歳の孫娘の100%自信に満ちて、伸びやかな歌声を聞くと、
(ああ、人間っていいかも)とついニマニマしてしまいます。
よく、「自分の孫は可愛いよ~~~」と言う人がいますが、
私はそういう意味で言っているんじゃないんです。
いや、もちろん私の孫娘は十分に可愛いのですが、
この3歳の子どもの伸びやかさは、大抵どの子も保持していたはずなのに、
学齢期に入り、中学、高校でアンケートを取ったら、
多くの子どもは既に自尊感情(自己肯定感)が低く、
自分なんか大したことないとか、生活がつまらないとか
感じている若者に変身しているのです。
3歳の時は、元気で自信に溢れて伸びやかな子どもたちが、
どこかのトンネルをくぐって出てきたら、もういじけちゃってるなんて
どんなマジックを施してんの、日本社会は……。
下のグラフは内閣府の
「日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度))の結果」の一部です。
自己肯定感
- 諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低い。(図表1,図表2)
日本の子どもたちの自尊感情の低さは他の国の子どもに比べて顕著であり、
意欲的に生活を送ったり、
社会問題が変えられるかもと思ったりする意識も低ければ、
将来への明るい希望も、み~んな低いんです。
一体どうしてなんでしょう?
3歳の元気をいつ、どのへんで、なぜ失ってしまうのか、
私は孫娘の行く末を案じてハラハラしています。
しかし、これは子どもだけのことではありません。
自尊感情の低さ、憂鬱さ、不幸せ感は
日本社会全体を薄いヴェールで包んでいるようで、
私は日本に帰るたびに、
(なんか、みんな表情が明るくないなあ)と道行く人を見て思ってしまうのです。
又は、夜遅くなのにグデグデに酔った人々の
素っ頓狂で外れた声が空しく暗闇に吸い込まれていくとか。
でも、こんなに自分はちっぽけで、
日々の生活はつまらないと思っているにも関わらず、
日本を誇りに思っている若者の割合は他の国と同じくらいですよ。
このアンバランスさ。
自分に自信がないわりに、自分の国には誇りがあるって、何なんですかね。
昔の日本人はどうだったかも知りたいですね。
2000年前から日本人はこうだったとは到底思えませんからねえ。
内閣府のページhttp://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html
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