ソニーのウォークマン(カセットテープ)の製造中止のニュースが流れると,韓国中央日報がコラムで取り上げました(→リンク)。
【噴水台】ウォークマン
1970-80年代に青少年期を送った世代に「カセットレコーダー」はおぼろげな追憶として残っている。手提げかばんほどの大きさでラジオとカセット再生機(プレーヤー)が一緒になったカセットレコーダーは当時は新鮮なものだった。ラジオから流れる音楽を空カセットテープに録音した後、カセットレコーダーを再生するといつでも聴くことができるようになった。星印(天一社)・鷲印(星宇電子)の電蓄が奢侈品に分類された時代、高価なLPレコード盤を買い、電蓄のターンテーブルに載せて鑑賞してきた従来の文化を一気に変えたのだ。LP世代に続く「カセットテープ世代」はこのように登場した。
63年にフィリップスが開発したカセットテープは80年代に全盛時代を迎えた。79年に日本のソニーが出した携帯用プレーヤー「ウォークマン」がその推進体だった。ウォークマンは室内で主に聴いていた音楽を外に引き出した。同じカセットテープを使用しながらも、カセットレコーダーとは比較にならないほど軽くて小さなデザインに、世界の若者は熱狂した。「腰にウォークマンをつけてステレオヘッドホンをしたままジョギングをする主人公」の姿は、ニューヨーク・パリ・東京を背景とする数多くの映画に頻繁に登場する場面になった。
ウォークマンは一時、韓国で輸入禁止品目に含まれていた。象印の電気炊飯器とともに税関で随時摘発される搬入制限品目の一つだった。かといって個人貿易商や外国出張者を通じて密かに国内に上陸するものまでは防げなかった。国内でウォークマンをモデルにした「ミニカセット」が相次いで登場すると、ウォークマンブームが広がった。文化とライフスタイルを変えながら、世代葛藤が生じたりもした。親はヘッドホンをして机に向かっている子どもに「音楽を聴きながら勉強になるか」と小言を言ったが、子どもの世代にとってウォークマンはすでに空気のようなものだった。カセットテープとウォークマンの時代はCD時代が到来しながら衰落の道を歩み始め、2000年代にはMP3プレーヤーの普及で事実上、終焉を告げた。ソニーがカセットテープ用ウォークマンの生産を中断したと発表した。ウォークマンはこれまで世界で2億台以上売れたヒット商品で、英語辞典には普通名詞として載っている。ウォークマンは歴史の中に消えるが、カセットテープは韓国高速道路の休憩所でいわゆる「ポンチャックメドレー」を収録してその命脈を続けている。咲いて散る花のように技術の変遷はどうすることもできない。ウォークマンの退場はカセットテープ世代に逆らえない歳月の流れを再確認させる。
日本では,とっくにカセットテープは廃れていましたが,新しい機械になじめない老年世代からの強い要望で,細々と生産されていたものがついに生産中止になりました。
日本に比べると,韓国のカセットテープは寿命が長かった。
日本でCDが登場し,それまでのLPレコードにとってかわりはじめたのが1980年代初め。私が韓国に赴任した96年,日本は音楽の新譜はすべてCDでした。
しかし,韓国ではLPにとってかわったのはカセットテープ。CDも売られ始めていたけれども,売れ行きはカセットテープのほうがよかった。
韓国でCDの普及が遅れた理由はよくわかりません。
一つは,CD再生機が高価だったこと。もう一つは,海賊版が横行していたため,音質が落ちず海賊版の大量生産も便利なCDは,販売元も製造に消極的だったのではないか。カセットテープはダビングすれば音質が落ちるし,ダビングにも時間がかかる。それでも新譜発売時は「本物より早く」海賊版が路上に並ぶのは,レコード会社の内部に犯人がいるとしか考えられない。
で,結局テープ式のウォークマンのあと,CDウォークマンやMDは韓国では普及せず,一気にMP3の時代を迎えたのですね。記事にありますが,高速道路のサービスエリアではまだ「ポンチャクメドレー」(演歌)のテープが健在です。
ウォークマンと象印炊飯器が輸入禁止だったとは知りませんでした。
オーディオ,炊飯器,自動車,ピアノ…。ほとんどの日本製品は輸入禁止で,自国産業を徹底的に保護したのですね。その甲斐あって,今やサムソンは日本の電機メーカーが束になってもかなわない空前の利益をあげています。
【噴水台】ウォークマン
1970-80年代に青少年期を送った世代に「カセットレコーダー」はおぼろげな追憶として残っている。手提げかばんほどの大きさでラジオとカセット再生機(プレーヤー)が一緒になったカセットレコーダーは当時は新鮮なものだった。ラジオから流れる音楽を空カセットテープに録音した後、カセットレコーダーを再生するといつでも聴くことができるようになった。星印(天一社)・鷲印(星宇電子)の電蓄が奢侈品に分類された時代、高価なLPレコード盤を買い、電蓄のターンテーブルに載せて鑑賞してきた従来の文化を一気に変えたのだ。LP世代に続く「カセットテープ世代」はこのように登場した。
63年にフィリップスが開発したカセットテープは80年代に全盛時代を迎えた。79年に日本のソニーが出した携帯用プレーヤー「ウォークマン」がその推進体だった。ウォークマンは室内で主に聴いていた音楽を外に引き出した。同じカセットテープを使用しながらも、カセットレコーダーとは比較にならないほど軽くて小さなデザインに、世界の若者は熱狂した。「腰にウォークマンをつけてステレオヘッドホンをしたままジョギングをする主人公」の姿は、ニューヨーク・パリ・東京を背景とする数多くの映画に頻繁に登場する場面になった。
ウォークマンは一時、韓国で輸入禁止品目に含まれていた。象印の電気炊飯器とともに税関で随時摘発される搬入制限品目の一つだった。かといって個人貿易商や外国出張者を通じて密かに国内に上陸するものまでは防げなかった。国内でウォークマンをモデルにした「ミニカセット」が相次いで登場すると、ウォークマンブームが広がった。文化とライフスタイルを変えながら、世代葛藤が生じたりもした。親はヘッドホンをして机に向かっている子どもに「音楽を聴きながら勉強になるか」と小言を言ったが、子どもの世代にとってウォークマンはすでに空気のようなものだった。カセットテープとウォークマンの時代はCD時代が到来しながら衰落の道を歩み始め、2000年代にはMP3プレーヤーの普及で事実上、終焉を告げた。ソニーがカセットテープ用ウォークマンの生産を中断したと発表した。ウォークマンはこれまで世界で2億台以上売れたヒット商品で、英語辞典には普通名詞として載っている。ウォークマンは歴史の中に消えるが、カセットテープは韓国高速道路の休憩所でいわゆる「ポンチャックメドレー」を収録してその命脈を続けている。咲いて散る花のように技術の変遷はどうすることもできない。ウォークマンの退場はカセットテープ世代に逆らえない歳月の流れを再確認させる。
日本では,とっくにカセットテープは廃れていましたが,新しい機械になじめない老年世代からの強い要望で,細々と生産されていたものがついに生産中止になりました。
日本に比べると,韓国のカセットテープは寿命が長かった。
日本でCDが登場し,それまでのLPレコードにとってかわりはじめたのが1980年代初め。私が韓国に赴任した96年,日本は音楽の新譜はすべてCDでした。
しかし,韓国ではLPにとってかわったのはカセットテープ。CDも売られ始めていたけれども,売れ行きはカセットテープのほうがよかった。
韓国でCDの普及が遅れた理由はよくわかりません。
一つは,CD再生機が高価だったこと。もう一つは,海賊版が横行していたため,音質が落ちず海賊版の大量生産も便利なCDは,販売元も製造に消極的だったのではないか。カセットテープはダビングすれば音質が落ちるし,ダビングにも時間がかかる。それでも新譜発売時は「本物より早く」海賊版が路上に並ぶのは,レコード会社の内部に犯人がいるとしか考えられない。
で,結局テープ式のウォークマンのあと,CDウォークマンやMDは韓国では普及せず,一気にMP3の時代を迎えたのですね。記事にありますが,高速道路のサービスエリアではまだ「ポンチャクメドレー」(演歌)のテープが健在です。
ウォークマンと象印炊飯器が輸入禁止だったとは知りませんでした。
オーディオ,炊飯器,自動車,ピアノ…。ほとんどの日本製品は輸入禁止で,自国産業を徹底的に保護したのですね。その甲斐あって,今やサムソンは日本の電機メーカーが束になってもかなわない空前の利益をあげています。
普通名詞になると可算名詞の場合、複数形が作れますが、ウォークマンの複数形はウォークメンではなく一般的にはウォークマンズ。メンにならないのはウォークマンは人ではないからだそうです。ソニーの公式見解ではウォークマンの複数形は、Walkman Personal Stereosだそうです。彼らにとってはウォークマンは固有名詞ですので、決して直接sをつけさせないのです。
そうなんですか。
それだけ社会に認知されたという証拠で,歓迎すべきことのようにも思いますが。
ホチキスもたしかそうだったかな。
>VHS再生機がありません
ラジカセはないけれど,カセット再生機つきミニコンポがあります。使うのは韓国で買った語学テープ(タイ語)のみ。
VHSのほうは,この前テレビを買い換えたときになくなりました(テレビと一体型だった)。
8ミリビデオも再生機がこわれて,もう見られない…
と思ってぐぐったら
ガセネタッぽいですね。
商標登録拒絶されかかったという事例らしい。
それとは別に
「ウォークマンは一般名詞、商標権なし―オーストリアでソニーが敗訴」
というのが出てきました。
こちらは事実みたいです^^
乳酸飲料をすべてヤクルトと呼んでいたような。
毎回,新聞記事の読解をするのですが,講師の先生(女性)がかつて運動圏の人だったらしく,政府批判の記事が多かった。そして授業そっちのけで自説をまくしたてるので,嫌気がさしてやめました。
http://blog.goo.ne.jp/bosintang/e/1a7efccc40caec4bf0ab4485f060a120
ご指摘のとおり,乳酸飲料の一般名詞はヨグルトゥでした。