タバコとクルマ

　最近，会社の収監施設（喫煙室）でよく交わされる会話。

「まだあるの？」

「これが最後だよ」

　これは「値上げ前に買ったタバコがまだ残っているか」という意味です。

　たいていの肺ガン予備軍（喫煙者）はタバコが大幅値上げされる１０月１日よりも前に何カートンもたばこの買いだめに走っていたのですね。それが切れ始めるのが今日このごろ。

　私の場合，海外出張時に買い溜めた在庫がまた８カートンぐらいあります。

　９月に特需を迎えたタバコ業界（どいうかＪＴ一社）は空前の売り上げを記録しましたが，１０月はその反動で売れ行きがさっぱりらしい。タバコは生鮮食料品と違って数カ月間は品質が落ちるということもないので，みなさん買いだめしたんでしょう。

　同じような現象が，クルマ業界にも起こっている。

　「エコカー補助金」という政府の補助金がタバコの値上げとほぼ同時，１０月の始めに打ち切られた。９月の始めに妻が自宅の車庫入れに失敗してお尻がみっともないことになってしまった我が家のクルマは，それをあてにしていたわけではないけれど，エコカー補助金にぎりぎりセーフで間に合いました。ラッキーです。

　そのクルマが「一カ月点検」を迎え，クルマを購入したホンダのディーラーに行ってきました。ちょうど担当のセールスマンがいたのでしばし雑談。

「補助金打ち切りで，大変ですね」

「そうなんですよ。もう泣きたいくらいです。日曜日の昼間というのにこのありさまですよ」

　確かに客はわれわれ以外だれもいません。９月の商談時には，８つぐらいあるテーブルがすべて埋まり，次々に契約がむすばれていたのに…。

「ま，でも９月までにたんまり稼いだんでしょう？」

「そりゃま，そうですど…」

　タバコ，クルマに続いて「エコポイント」打ち切りが見えてきた家電の売り上げが激減するのもまもなくです。