米とサーカスを出たのはまだ7時過ぎ。
元留さんには申し訳なかったのですが、いつもの私の巡回コースにつきあっていただきました。
休日のこの時間で開いている店は少ない。それで池袋のアガシに行きました。ここは5時開店(ただしアガシは二人だけ)。その日の早番は二人とも中国人でした。一人は北京、もう一人は天津の出身。
飲み放題のビールを飲みながら、食べ物の話になります。
「天津飯好き?」
「ああ、食べたことありません。あれ、日本料理ですよ」
「中国にはないらしいね」
もともとあまり好きではないのは私はほとんど食べないのですが、天津飯が日本産ということは知りませんでした。
「中国では餃子は焼かないんでしょう?」
「そう、水餃子か蒸し餃子ですね。余ったら次の日に焼いて食べることはありますけど」
「それに、ごはんのおかずにはしないんでしょう」
「そうですね。おかしいです」
「ぜんぜんおかしくないけどなあ。炒飯ならいいの?」
「炒飯もだめです。だいたい炒飯も中国では残り物のイメージですよ」
なんでも、このアガシのおじいさんが炒飯を作るのがうまくて、彼女が行ったときに作ってくれたとか。するとアガシのお母さんがおじいさんに向かって、「なんで子どもにこんなもの食べさせるの!」と怒ったんだとか。炒飯は古いご飯に残り物をいろいろ混ぜて作るもので、久しぶりに会った孫にごちそうするような食べ物じゃないと。
「餃子、チャーハン、ラーメンのセットなんていったら、中華の黄金トリオだけどなあ」
「ありえなーい!!」
中国では焼き餃子、チャーハン、ラーメンはどの二つをとってもありえない組み合わせなんだそうです。餃子を食べるときはひたすら餃子。ご飯ものやめん類などは炭水化物の同類だから両立しない。チューハンやラーメンは肉とか魚のちゃんとしたメインディッシュをとったあとのシメとして食べるもの。シメを組み合わせてどうするんだ。
私はまず焼き餃子でビール。次に担々麵。最後にライスを担々麵の残ったスープにぶちこんでおじやにして食べるのが好きです。
アガシは時間制(一時間1500円飲み放題)なので、きっかり1時間で店を出て、こんどは新大久保に向かいます。新大久保は、一時のヨルプン(熱風=ブーム)が過ぎ去った新大久保は、落ち着きを取り戻しています。
大久保通りを東へ5分ほど行ったところにあるトンマッコルバー。500円とリーズナブルな価格の生ビールで新顔のアガシとおしゃべり。何を話したかは完全に忘れました。
ここは一杯で切り上げ、職安通りへ。大久保通りから南方向の路地に入り、ラブホテル街を過ぎると職安通りに出ます。ドンキの向かいの道を入ったところのアイバー。今年で6周年を迎えたそう。私の知る限り、経営者は代替わりしているはずですが、常連さんも多く経営は軌道に乗っているようです。
店長のママは元留氏に向かって、
「あら、ひらしぶり」
「覚えてますか?」
「ええ、もちろん」
元留さんが私といっしょにこの店に来たのは、たしか半年ぐらい前なのに、しっかり覚えているのはえらい。こういう商売は、記憶力が命ですね。
このころになると相当に酩酊してきており、店で何を話したのかほとんど記憶がありませんが、11時ごろには店を出たような気がします。
5時過ぎから、食事を含めてサチャ(四次会)まで行ったことになります。久しぶりに韓国にいるときのような飲み方をしました。
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すし広場とか、さかなやという名前だったと思います。
今も健在なのか、知りませんが。
その巨大さに恐れをなして、注文できませんでした。
日本のラーメンは、中国人も日本料理認定してますね。
6品のアンジュ(つまみ)盛り合わせ、豚足、辛ラーメンに、ビール飲み放題で1500円というのは異常に安い。そう長くは続かないでしょう。
ただ、チェーン店で食べるのは、味は兎も角として、面白味に欠けるようで、好きではありません。
他に選択肢がなければ考えますが。
最近では、寿司も宜しくない。若いときは感じませんでしたが、葬儀の時など、寿司に冷めた天ぷらなど出されてもげんなりします。
偶に国へ帰ったときは、そこらのチープな食堂で食べたりしますが、私の場合は却ってそっちの方が心の満足度は高いですね。
餡掛け五目焼きそばをご飯にすれば、天津飯になります。
醤油とダシと蕎麦の替わりに、醤油と鶏ガラスープをl使うことで支那ソバになります。
日本人はファーストフードが好きで、江戸時代には寿司、天婦羅、蕎麦も屋台のファーストフードだったようですが、几帳面な日本人は素材、味、見た目にこだわり、外国人にも日本文化として認められる料理にしました。
ラーメンも日本人はこだわりを持って工夫され、今や中国などでも人気でチェーン展開しているわけですから、自身を持っていいんじゃないでしょうか。
ピザやパスタ同様にチャーハン、ギョーザも日本人はファーストフードとして食べているわけで、イタリア人や中国人に、本場とは違うといわれるのは仕方ないですね。