犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

犬問題

2018-10-11 23:44:10 | 介護生活

 わが家の愛犬ハイジは、まもなく14歳の誕生日を迎えます。

 この犬種(ウィペット)としては相当な高齢。親や兄弟はほとんど死んだのに、生まれたときはいちばんひ弱そうだったハイジが、今のところ元気にしています。もちろん、若いころと違って長時間の散歩は嫌がりますし、目の色は濁ってきていて、どれくらい見えているのかわかりませんが。

 ハイジの面倒は、おもに妻が見ていました。その妻がある日突然いなくなりました。入院したからですね。その代わりに、普段は家にいない私や、もう嫁に行った上の二人の娘、妻の母、妹などが入れ代わり立ち代わり家にやってくるようになりました。そのたびにはしゃいではいるものの、みなが帰ったあとなど、鼻をクンクンさせながら、家の中をうろつきます。まるで妻を探しているかのように。

 そして、毎日、お昼ごろから夜8時ごろまで、私と娘たちが面会に行っている間は、独り寂しく留守番です。室内で飼っていて、ふだんはおしっこやうんちのときだけ庭に出してさせています。留守番時は、浴室前の脱衣所に新聞紙とペット用のシートを敷き詰めてトイレにしています。留守番が長時間に及ぶときは、イライラがつのるのでしょうか、シートをかきむしったり、シート以外のところで粗相をしたりすることも。

「ハイジもかわいそうだね」


「仕方ないさ。病院に連れて行くわけにはいかないから」


 入院した当初は、私も娘たちも仕事を休んで面会に行っていましたが、ずっと休むわけにはいかない。結婚した娘には自分の家庭もあります。私は東京の事務所に出社させてもらっていますが、週に1~2日は大阪に戻らなくてはならない。
今は仕事をしていない三女が、家でハイジの面倒を見てくれています。でも、ずっと三女に介護をさせるわけにもいかない。先延ばしにしている留学に行かせてやりたいのですが、犬の問題がネックになります。

 妻はいずれリハビリ病院に転院することになるでしょう。病状に心配がなくなり、リハビリに専念ということになれば、毎日面会に行く必要もないので、三女を留学させて、私一人が家にいればよい。ただ、朝7時から夜8時まで、犬を家の中にひとりで置いておくのは無理。

 さてどうしたものか。

 週末に二女が家に来ました。

「うちのアパート、ペット可だったと思う。でも小型犬だけだけど」

「ハイジは小型じゃないよね」


 体重12キロの狩猟犬です。

「管理人さんに聞いてみるよ」

「あと〇〇君(夫の名)もね」


「それは大丈夫。犬飼うのが将来の夢だっていってたから」

 数日後、二女からラインが入りました。

OKだって! それに一時的ならお金もいらないって」


 ペットを飼う場合、敷金を1か月分上乗せし、家賃も何千円かあがるルールなんだそうです。

「それはよかった!」

 犬問題はなんとか解決しそうです。


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