スペインでモルシージャを食べました。
モルシージャとは、イベリコ豚の血にタマネギ、米、香辛料を入れて腸詰めにしたもの。韓国のスンデにそっくりです。同行のペルー人の好物ということで、スペイン出張のたびに注文します。
今回食べたのは、輪切りにした後に焼いたもののようで、切り口もカリカリしていておいしかった。色は紫がかった黒。塩味がついていて、ビールによく合います。
日本には「血食」の習慣がないので、「血」というと顔をしかめる人が多いですが、肉食文化の国ではたいてい血も食材として扱っているようですね。
私が最初に血を食べたのはフランス。ホームステイをしていた家の夕食に出ました。
「ケスクセ?」(これなんですか)
「それを言うと日本人は食べないから、食べた後で教えてあげる」
ブヨブヨした極太の黒いソーセージで、ナイフで切るとドロリとした中身が出ます。それを、脇に添えたリンゴジャム(!)と一緒に食べます。見た目と生温さと甘みで、「オエッ」という感じでした。
二十歳で初めて行った外国でしたので、まだ諸国の奇妙な食材を食べ慣れていなかった。なんとか残さず食べましたが、食後に「血」と聞かされて、いよいよ気分が悪くなりました。
今ならば、ソーセージそのものは抵抗ないでしょう。しかし、リンゴジャムといっしょというのは避けたい。料理に甘い果物を使うのは苦手です。鶏肉のオレンジ煮とか、パイナップル入り酢豚とか…。
韓国で出会ったスンデは、むしろ好物の一つでした。やはり血で作った腸詰めで、米や麺(春雨)が入っています。昼御飯だったら「スンデクク」(鍋)。残業時間には茹でたスンデに塩をつけて食べるのが美味。
日本ではあまり見ないけれども、会社の近くに最近できた韓国家庭料理の店にスンデククのメニューがありました。「限定10食」と書いてあるのに、いつ注文しても品切れでないのは、注文する人が少ないからでしょう。
新大久保のバーは、近くの韓国料理屋からつまみの出前をとることができるのですが、そこにもスンデがある。それで私がスンデを注文しようとすると、バーのアジュンマは「あそこのはおいしくない」と言って、近所の韓国食材スーパーで買ってきたスンデを電子でチンしてくれます。
おいしいのはおいしいですが、一人で食べるには量が多い。最後はげんなりしてしまいます。行くたびに、「スンデありますよ」と言われますが、最近は遠慮しています。
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