犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

焚身(プンシン=焼身)

2007-04-05 00:22:26 | 日々の暮らし(韓国~2007.7)
 米国とのFTA交渉が妥結しました。

 妥結の前日,FTAに反対する市民が焼身自殺を図り,大きく報道されました。民主労総の組合員で,民主労働党員のタクシー運転手さんだそうで,現在,重体。自宅には遺書が残され,覚悟の自殺だったようです。

 遺書の内容は…(→リンク)。


亡国的韓米FTAを廃止せよ。
屈辱拙速反民主的交渉を中止せよ。
私はこの国の民衆を救うという考えだ。国論を分裂させて卑劣な反統一的な団体は,目覚めて優越主義的考えを捨てよ。
拙速密室的な交渉内容を明白公開広報する前に締結するな。
我が国の法にそんな法がないというのはまさに術策だ。
議政府の女子中学生を馬鹿にするかのように役人づらして二度も殺すな。
女子中学生の恨みを晴らそう。
討論を強調しながら実際に平沢基地移転、韓米FTA討論したことはない。
崇高な民衆を馬鹿にするな。
私は私自身を捨てたことがない。
遠くへ行っても黙々とコツコツ民主労総とともに働きたい。

民主タクシー組合員2007.4.1

××

女子中学生」というのは,数年前,米軍の装甲車が誤って女子中学生を轢き殺し,反米感情が爆発した事件(→リンク)をさしていると思われます。


 体に火をつける直前「独裁者,盧武鉉は退陣せよ」と叫んだらしい。民主労働党は盧武鉉の支持基盤の一つでしたが,韓米FTAは,今や野党だけでなく,与党や左派勢力にも反対が広がっている。一方,盧大統領との対決姿勢を強めていたマスコミは一転して,このFTA妥結を歓迎し,盧大統領の決断をほめているから複雑です。(→東亜日報社説

 ところで,韓国で焼身自殺のことを焚身といいます。

 これまでも,軍事独裁政権に反対して学生が焚身するような事件がありました。焚身は,日本の「切腹」に似た,死のパフォーマンスなのかもしれません。

 韓米FTA交渉の争点が何なのか,細かいことまではよく知りませんが,コメと牛肉の輸入自由化に,生産者たちが決死的反対を唱えているらしい。でも,タクシー事業とは関係がなかったような……。

 米,牛肉に関しては日本でも20年ぐらい前,同じようなことをやっていましたね。「消費者」の立場からすれば,輸入自由化で価格が下がるのは歓迎なのですが,生産者はたまらない。必死で反対するのもやむをえないのでしょう。

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