犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

北朝鮮の犬鍋事情

2021-10-22 00:00:58 | 韓国雑学
 1年以上前の記事ですが、北朝鮮における犬肉食の事情を伝える朝鮮日報の記事を拙訳で紹介します。

2020年8月2日朝鮮日報(リンク、韓国語)

[スクープ]金正恩「愛玩犬を飼うのはブルジョワ」…列をなして補身湯屋へ

 北朝鮮が最近、平壌で「愛玩犬(ペットの犬)」を飼う行為を「資本主義的要素」と規定し、強力に取り締まっている、と伝えられている。対北経済制裁とコロナ事態の長期化で最悪の経済難に直面している北朝鮮は、国内で大々的な「非社会主義」に対する闘争を繰り広げ、綱紀粛正に立ち上がったと観測されている。



写真:犬肉料理を専門とする平壌甘肉屋

 2日、ある北朝鮮消息通によれば、金正恩国務委員長は7月、国が困難に直面しているのに、平壌市民が愛玩犬を飼っているのは、「ブルジョア思想に染まった行為、資本主義的要素の一部分」とし、「愛玩犬禁止令」を出したものと伝えられている。この消息通は、「金正恩の一言で、最近、平壌では人民班ごとに愛玩犬を飼う家をすべて調べ上げ、自ら差し出させるか、強制的に捕まえて処分している」、「愛玩犬の一部は中央動物園に送り、一部は甘肉屋(補身湯)に売り渡して食用にしている」と伝えた。

 対北経済制裁やコロナで経済状況が悪化し、不満が出ているうえに、今回の愛玩犬強制処分事件で、飼い主ら平壌市民たちの金正恩に対する評判が悪化していると見られている。この消息通は「手当たり次第の愛玩犬処理のやり方に、平壌の飼い主たちは泣く泣く従い、陰で金正恩の悪口を言っている」、「動物にも感情があるのに、金正恩には感情もない、と非難している」と語った。

 かつて北朝鮮は、愛玩犬を飼うことを「腐りきった資本主義文化」といって排撃していたが、1989年の世界青年・学生祝典をきっかけに認識が改まり、高位層と富裕層を中心に愛玩犬を飼うようになった。その後、韓国ドラマなど韓流の拡散で、高位層と金持ちが「見せびらかす」ために愛玩犬を飼うことが流行した。消息通は「一般住民たちはマンションのベランダで豚などの家畜を飼っているのに、高位層と金持ちが愛玩犬を飼うのが奢侈と映り、不満の声が上がった」と語った。

 北朝鮮は今回、愛玩犬を飼うことを禁止したが、食用犬の飼育は奨励しているようだ。北朝鮮は犬肉を「
단고기 甘い肉」と呼び、民族の食べ物、国宝級の食べ物と持ち上げている。こうしたなか、平壌では6月、開城の南北共同連絡事務所爆破を主導した金与正労働党第一副部長に対し「野蛮だ」という非難が出ていると伝えられている。北朝鮮で高官だった脱北民(北朝鮮から韓国への亡命者)A氏は、「経済状況悪化で不満が積み重なった平壌市民たちが、南北関係の象徴を爆破した金与正に対し、金正恩よりも見苦しいと言っている」と語った。このため、最近、北朝鮮の公安当局は、「言葉の反動」に対する取り締まりと処罰を強化したと伝えられている。

 記事中の消息通の情報が本当に正しいのか疑問ですが、仮に本当だったとしたら、愛犬を犬鍋にされてしまった平壌市民の心情が思いやられます。こうした怒りが積もって、いつか金正恩体制の打倒に立ち上がることになればと思います。ルーマニアのチャウシェスクのように…

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