犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

大ピンチ!

2023-12-27 23:04:50 | 日々の暮らし(2021.2~)

 夕方、三女と孫娘が自宅の風呂に入ろうとしたときのこと。

 しばらくして、孫娘がすっ裸で居間に戻ってきました。

「大ピンチ! お湯がない!」

 お風呂に入ってみたら、湯船にお湯がたまっていなかったのですね。

「それは大変! 確かに大ピンチだ!」

 いつもは、ばあば(私の妻)が先に風呂に入ったあと、娘家族が風呂に入るのですが、この日は順序が逆。風呂の用意ができていないのに、裸になって風呂場に入ったわけです。

 まだ2歳の孫娘が、「大ピンチ」という言葉を知っていたのは、人気の絵本『大ピンチずかん』(鈴木のりたけ、小学館、2022年刊)を読んでもらっていたからです。

 『大ピンチずかん』は2022年初刷で、23年6月には第15刷ですから、ベストセラーと言っていいでしょう。

 牛乳パックからコップに牛乳を注いだら、それがこぼれた。大ピンチ! もったいないからテーブルにこぼれた牛乳をすすろうとして、頭がコップに当たって、コップがひっくりかえって、牛乳がぜんぶこぼれた…。もっと大ピンチ!

 紙パック入りのジュースをストローで飲んでいたら、ストローがパックの中に入ってとれなくなった。大ピンチ!

 こどもの日常生活の中で、いかにもありそうな「大ピンチ」の場面が満載されています。

 ところで、最近見つけたカフェ・クロックという喫茶店(リンク)に行ったときのこと。

「この前の歌会、盛況だったんですよ」

 歌会というのは、この喫茶店で毎月開かれているイベントで、お客さんが思い思いの楽器を持ち込んで(ギターが多いらしい)、弾き語りで歌を披露し合うというもの。

 会費1500円を払わなくてはならないにもかかわらず、人気が高く、すぐに予約で一杯になってしまう。

 その日、そんなイベントがあるとは知らずに出かけていき、歌会が始まる16:00前にコーヒーを一杯だけ飲んで帰ったのですが、当の歌会がたいそう盛り上がったという話をしてくれました。

「店が終わった後も、常連さんの何人かと飲んだんですよ。それはよかったんですけど、浦和に帰ったら、スマホがないことに気づいたんです」

「それは
大ピンチじゃないですか!」

「そうなんです。それで、その日に立ち寄ったところに引き返して、聞いて回ったんですけど、ないんです」

「拾得物として届いてないんですか?」

「GPSで追跡したら、ある家が表示されたんで、その家を訪ねたんですけど、老人が出てきて知らないって。どうも、拾った人がその家の前を通ったところでバッテリーがなくなったらしいんですね」

「手掛かりなしですね」

「面白いのが、そのスマホで写した写真はクラウドに保存されるんですけど、その日の夜に1枚アップされている。それが、浦和駅のプラットフォームらしいんです」

 マスターは、その写真を見せてくれました。

 確かにプラットフォームと犯人(?)のものらしい足が写っている。

 スマホはロックがかかっているので、解除しないと何もできないけど、写真だけはとれるそう。

「結局、見つからなかったんですね。それは災難でしたね」

「まあ、大切なデータはみなクラウドにあるし、そのスマホは買ってから4年ぐらいたっていて、そろそろ買い換えようと思っていたところだったんで、そんなにショックじゃないんですが…」


 私は今年の前半にスマホを買い替えたばかり。すべてのデータをクラウドに保存しているわけではないので、紛失したら大ピンチです。

 マスターのように、酔っぱらって落とす、なんてことがないように、注意しなくちゃ。

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