犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

植民地収奪論の虚構~米

2009-07-03 00:23:54 | 近現代史
 韓国の国定教科書に描かれている日帝による「収奪」は,
「土地調査事業によって土地を収奪した」
「生産された米の半分を奪った」
「650万人の朝鮮人を戦線,工場,炭鉱へ強制連行し賃金も与えず奴隷のように酷使した,その中には朝鮮の乙女たちが挺身隊という名目で日本軍の慰安婦とされ,その数は数十万人に達した」
などである。

 このような教科書の内容は事実ではない。まったく事実に反しているもの,似たような事実はあったが内容が誇張されていたり,誤って解釈されているものが大部分である。それらはすべて教科書を書いた歴史学者が作り出した「物語」である。

 まず,「米」。

 米のほぼ半分が日本に渡ったのは事実だが,これは奪われたのではなく,輸出(当時の用語は移出)されたものであり,それにより農民と地主は所得を得た。輸出したのは日本内地の米相場が朝鮮より30%高かったからであり,この結果朝鮮の総所得が増え,全体的に経済が成長した。食糧は満州から粟や豆を購入することで補い,綿製品のような工業製品を日本から輸入したり,機械や原料を買って工場を作ることもできた。

李栄薫著『大韓民国の物語』より

 米収奪説の虚構に関しては,以前,「タンジ日報」というアングラ新聞に載った記事を翻訳紹介したことがあります。

日帝時代検証食糧収奪
日帝時代検証食糧収奪

 ここで車記者の「仮説」として出されていることとほぼ同じ内容が,李栄薫教授によって『大韓民国の物語』の中で語られています。

 簡単にいえば,「当時の朝鮮半島の主要産物であった米を日本に輸出し,それで得たお金で朝鮮の産業化が進んだ」ということ。これが「米収奪」の正体でした。

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