韓国語の動詞の活用は、外国人にとって「壁」の一つです。韓国語を読んでいて、わからない単語を辞書で調べようとしても、なかなか辿り着けない。
その理由は、活用形から基本形(不定形・辞書形)を類推するのが難しいものが多いこと。その多くは二音節の動詞です。
ポダ、カダ、チダ、サルダ、トゥッタ(「サル」「トゥッ」は韓国語では一音節)
一方、日本語には、やはり二音節の動詞(見る、行く、打つ、住む、聞く…)がたくさんありますが、活用しても第一音節は変わらない(語幹)ので、基本形(終止形)の類推はたやすい。
ミル(見る)の語幹は「ミ」。ミナイ-ミマス-ミル-ミレバ-ミロ
イク(行く)の語幹は「イ」。イカナイ-イキマス-イク-イケバ-イケ
語幹が定まらないのは「する」(シナイ、スル、セヨ)、「くる」(コナイ、キマス、クル)の二語だけです。
一方、韓国語のほうは、第一音節も含めて変化するうえに、不規則な動詞が多いので、文章中の活用形の意味を調べようとして辞書を引くとき、辞書形を突き止めるまでに苦労します。
ポダ(見る)-ポンダ-バヨ…
耳で聞いた言葉の意味を調べるときは、さらに大変。日本人にとって、「平音」「激音」「濃音」が区別できないうえに、母音の二種類の「オ」、「エ」、「ウ」、さらに末子音(終声、パッチム)の聞き取りも難しい。
たとえば、「チェンギョモゴヤデヨ」という表現を耳で聞いて、辞書を引くとしましょう。
活用についての基本的知識があれば、「チェンギダ」「モクタ」(食べる)「~オヤデンダ」(~しなければならない)の複合語であることが類推できる。
で、チェンギダを辞書で引くとき、最初の子音が「ㅈ」「ㅊ」「ㅉ」、母音が「ㅔ」「ㅐ」、末子音が「ㄴ」「ㅇ」「ㅁ」の可能性を考えなければならないので、最大3×2×3=18種類の綴りについて辞書を引かなければならない。
一方、韓国語には「有声音(濁音)」と「無声音(清音)」の区別がない。しかし、幸いなことに日本語の用言(動詞、形容詞)は、第一音節が有声音(濁音)で始まる語がきわめて少ないので、語頭は無声音だと仮定して調べれば、たいていは一発で見つけることができる。
日本人にとって韓国語が聞き取りにくいのは、日本語より韓国語のほうが音素の数がずっと多いからだと思われます。
子音は日本語の12(あるいは15)に対して韓国語は18、母音は日本語が5(半母音/複合母音を入れれば9)韓国語が8(半母音/複合母音を入れれば20)、さらに日本語は子音で終わる音節が少ない(「ん」のみ)のに、韓国語はとても多い。
日本語を母語として育った日本人が、韓国語(だけじゃなく諸外国語)の聞き取りが苦手なのは、ひとえに日本語の音韻体系が貧弱だからであって、これは日本に生まれた宿命として甘受しなければならないでしょう。
じゃ、韓国人も聞き取りが難しいかどうかというと…。平音/激音/濃音に関しては、日本人が「外人」と「怪人」を聞き分けるのと同じようにはっきり聞き分けていると思います。
ただ、二種類のエ(ㅔとㅐ)については、ソウル地方ではほぼその違いがなくなっているとのことなので、「音」で聞き分けるのは難しく、コンテキストに頼っていると思われます。
私の経験では、自分で発音し分けられない音は聞き取れない。逆に言えば、聞き取れるようになるためには、まず発音し分けられるように練習するのがよい。
平音の「チャ(ㅈ)」は日本語の「チャ」とほぼ同じ。激音の「チャ(ㅊ)」は、つばが飛ぶくらい激しく息を出しながら発音するように心がける。そして濃音の「チャ(ㅉ)」は、「マッチャ(抹茶)」の「マ」を言わずに「ッチャ」だけ発音する練習をするのが効果的です。
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昔のその手の女性は小学校しか出ていない、なんていう人もいました。