犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フィリピンあるある 2

2020-08-13 23:57:09 | フィリピン
 フィリピンに住む娘からのLINEです。

「昨日から、うちの部屋のWi-fiが止められた。管理人がネット料金を3月から滞納していたらしい」

「それはひどい!」


 娘の部屋の管理人というのは、大家さんとは別で、店子から家賃を徴収したり、その中から公共料金などを払ったりする仕事を請け負っている人。

 Wi-fiが使えなくなったことを大家さんに言ったら、管理人の料金未払いが発覚したのだそうです。

「でも、携帯は使えるの?」

「コンビニで携帯用のロード(チャージのフィリピン式の言い方)できるから、携帯は使える。100ペソで何日間かはもつ」

「パソコンが使えないんだ」

「D(娘の同棲相手)が英語のオンライン授業できないから、とっても困る」

 Dは、日本人相手にオンラインで英語を教えていて、コロナ禍における唯一の収入になっているのです。

「でも、こっちに住んでる日本人が、買った洗濯機がいつまでも届かないと思ったら、大家さんが着服してたんだって。抗議したら、新しい洗濯機が届くまで、毎日洗濯物を洗って、畳んで持ってきてくれたらしい」

「着服って、お金を?」

「いや、洗濯機を自分のものにして、使ってた」

「ありえない!」

「フィリピンあるあるだよ」


【犬鍋のたぶんこうだったんじゃないか劇場】

 ある日、大家さんの家に新品の洗濯機が届く。
「洗濯機? ああ、うちの洗濯機、古くなってたから、ダーリンが新しいのを買ってくれたのね。なんてやさしいんでしょ」
 夜、大家さんのご主人が帰宅。
「洗濯機ありがとう!」
「えっ、洗濯機? おれは買ってないけど…」
「あら、おかしいわねえ」
「ま、いいんじゃない。もう使い始めちゃったんだろう?」
 一週間後、店子から電話。
「あのう、洗濯機が届かないんで販売店に聞いたら、とっくに届けたって言うんですけど、知りませんか」
(あっ、あれだ!)
「あら、そうなの? 洗濯機がないと困るでしょう。いいわ、洗濯物、うちに持ってきなさい。届くまで洗ってあげるから」

 数日後、娘からまたLINEが来ました。

「土曜日には使えるようになるって言われて、期待してなかったけど、やっぱり今朝になって、「来週中には」って言われた」

「文句言えば?」

「フィリピンって、クレーム言う人本当にいないからね。何があっても、仕方ないね~で終わる。だからみんな平和に過ごせるけど、だからいつまでたっても生活が向上しない(笑)」

 その2時間後。

「隣の家の人が、うちのWi-fi使っていいよって言ってくれた!」

 近所の人とは仲良くしていて、ふだんから野菜を肉をあげたりもらったりしているらしい。

 日本ではもはや失われつつあるご近所づきあいが、今も生きているのがフィリピンです。
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