慶州に行って来ました。 今まで,ソウルから列車で行ったことはありますが,空路で行ったことはない。国際空港とは言いながら,釜山空港はひなびた田舎の空港といった感じです。 韓国第二の都市釜山。 しかし,第一と第二の差は目眩がするほど大きい。一極集中は,日本の遥かに上を行きます。もともと釜山は小さな漁港でした。日本と近いせいで,朝鮮時代に倭館という外交施設が置かれていたのが目立つ程度。それが,日本の植 . . . 本文を読む
モンテーニュの「エセーⅡ」には,「法王(教皇)ボニファキオ(ボニファティウス)8世は「狐のようにその地位につき,獅子のようにその職務をおこない,犬のように死んだ」と書いているそうです。 ウィキペディアによれば,「ボニファティウス7世(8世)は974年のローマ教皇ベネディクトゥス6世の死に関わったとされている。教皇として即位宣言するも、ローマ市民の蜂起によりコンスタンティノポリスへ逃亡せ . . . 本文を読む
極地探検と言えば,アムンセンとスコットが有名ですが,同時代に南極大陸の犬ぞり横断を企て,遭難し,氷の海を何カ月も漂流し,壮絶なサバイバルの末,ついに全員が帰還したエンデュアランス号の話はあまり知られていないようです。 数年前に買いながら読まずに放置していた『エンデュアランス号漂流』(アルフレッド・ランシング著,新潮文庫)を,最近の「新幹線読書」で読みました。 南極の氷上で重要なのはやはり食料。 . . . 本文を読む
帰国の直前にあいさつを兼ねて飲みにいって以来,ロケーションが悪いので行けなかったバー。夜到着の金浦空港から,地下鉄5号線で通り道だったので,ちょっと寄ってみました。 場所はオモッキョ(梧木橋)駅から徒歩2分。スーツケースを引きずって訪ねると,店は健在でした。「あーら,犬鍋さん。お久しぶり。どうして連絡くれなかったの?」「えっ,電話したけど,出なかったじゃない?」「うそ。私,必ず電話とるわよ」「前 . . . 本文を読む
先の南北首脳会談の,北朝鮮側からの贈り物がマツタケ4トン!だったそうですね(→記事)。 小泉首相のときには3トンだったらしいから,日本より1トン多くて面目を保ったというところでしょうか。日本が対北経済制裁の一環として北からのマツタケ輸入を禁止したので,だぶついたぶんを上乗せしたというのが真相では。 でもこの記事(→リンク)によると,日本ではせっかくのマツタケが焼却されたという噂があるようですが, . . . 本文を読む
東京郊外にできた巨大ショッピングモール,イオンモールに行きました。 広大な敷地に,三越とジャスコが入っている。あちらこちらに休憩用のソファが置いてあるのが嬉しい。妻と娘たちが買い物をする間,ゆったりと読書できます。 なによりもいいのは,フードコート脇にゆったりスペースの喫煙室があるところ。 さて,昼食をフードコートでとったのですが,ここにも韓国料理が進出している。ビビンバを食べている人が目につき . . . 本文を読む
ぎっくり腰の妻は,立ち上がったり歩いたりするのが難しく,四つんばいならなんとか動けるという。 一日中寝ているよりは何かできることをと,四つんばいで床の拭き掃除をしていたそうなのですが,風呂場に入って,流し口に溜まった髪の毛を取り除こうとしたら,指に激痛が走った。 なんと,髪の毛の束のように見えたのは,ムカデだったんですね。 こういう状況を韓国語でソルサンカサン( 설상 . . . 本文を読む
日本に帰ってから,なんか3連休が多いなあと思ったら,「ハッピーマンデー制度」のおかげだったんですね。 これも,私が韓国に駐在していた11年間にできた制度。よく知りませんでした。 あらためて調べると,成人の日(1月15日)海の日(7月20日)敬老の日(9月15日)体育の日(10月10日)がそれぞれ,第二・三土曜日に変更になり,確実に三連休になる。 韓国には,ハッピーマンデーはおろか,「振替休日」も . . . 本文を読む
妻から「ぎっくり腰になった」という緊急メールが入ったのですが,その日は大阪出張でどうしようもない。まあ,家事は四人の娘がなんとかしてくれるでしょう。 出張先で韓国人に会ったので,「ぎっくり腰」を韓国語でなんと言うか聞いたところ,それに相当する韓国語はないという。シマンヨトン 심한 요통(ひどい腰痛)あるいはホリガアップダ 허 . . . 本文を読む
ウリマル 韓国人の,自国語に対する愛と誇りがこめられた言葉です。「われらの言葉」。要するに「韓国語」のことなんですが,「韓国語」という漢字語の固いニュアンスに比べ,柔らかく,何か民族の魂にふれるようなニュアンスがあるらしい。 ほかの外国語,英語や日本語に対比していうよりも,漢文に対する純粋な韓国語,漢字語に対する固有語といった使い方もされます。母なる言葉としての「母語」に近いのかもしれません。 . . . 本文を読む
自宅から車で5分ぐらいの住宅街に,スリランカ料理店があり,小雨の中,初めて行ってみました。 私たちが駐車場に車を止めると,音を聞きつけたのか,店の扉が内側から開く。「いらっしゃい」 感じのいいアジュンマが迎えてくれます。「今日は生憎,雨だから…」 なんと,この店,店内は厨房だけで,庭に並べられた四つのテーブル席しかない。雨なので,すべてにビニールシートがかけられています。 残念。「でも,テイクア . . . 本文を読む
先にご紹介したワサドゥン(ガス灯),イギリス名画の雰囲気とはまったく合わない。 調べてみたところ,どうもこの店名,洋画の題名からとったものではなく,韓国の詩にちなんだもののようです。 金光均(キム・グァンギュン)という詩人が,1939年に発表したもの。韓国の教科書に載るくらい,有名なものらしい。韓国のサイトに原文があったので,翻訳してみました。ガ ス 灯 金光均 . . . 本文を読む
「ガス灯」といえば,イングリット・バーグマン主演のサスペンス。 高校時代に授業をさぼって今はなき渋谷の全線座によく通ったものですが,カサブランカとか第三の男とかガス灯などの名画は,3本立て300円の定番でした。 二日連続で雨に降られた先週末,「アメリ」を返しに行ったときに,今度は「ガス灯」のDVDを借りてきました。往年のバーグマンの美貌にうっとりとしているうち,いつしか私はソウル・インサドン(仁寺 . . . 本文を読む
赴任して一年ぐらい経ったころでしょうか,会社に一通の招待状が来ました。飲み屋からです。 (また漢南洞の駐在員クラブからかな)と思ったら,珍しく梨泰院。ボトルが一本サービスということで,行ってみました。 すると,店内の雰囲気もシステムもほとんど駐在員クラブと同じ。客は100%日本人。出てきたチーママの説明によると,これまで日本人観光客相手でやっていたが,平日の客入りが悪くてソウル在住の駐在員にも来 . . . 本文を読む
雨降りなので「アメリ」を見ました。(→公式サイト) 別に深い意味はありません。次女が一週間前に7泊8日180円で借りてきていて,3回も見るほどおもしろかったと言ったから,今日は雨でテニスもできないし,じゃあ見てみるかと。 フランス映画を見るのは何年ぶりだろう。実は私,フランス文学専攻だったのに,ほとんど聞き取れないのが恥ずかしい。 映画の冒頭,アメリの少女時代に,隣家への復讐でテレビアンテナのコ . . . 本文を読む