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Brugge Style
althof grandhotel schloss bensberg
アメリカ南部ヒューストンからロンドン・ヒースロー(と自宅)を経由し、裏側に飛んできた(はい、凄まじい時差ボケです...眠れません)。
ドイツの西部、ケルンとデュッセルドルフ(この間わずか39キロ、車で40分)に夫の仕事の関係で来、ついでにエッセン(デュッセルドルフから車で30分)で、クリスティアン・ツィマーマンのピアノ・リサイタルを見ようという魂胆なのである。
ところで、当初、ケルンとデュッセルドルフに宿泊する予定だったのだが、ドイツ・オフィスの人の熱いおすすめでケルンから10キロほど先の小さな街、ベルギッシュ・グラードバッハ(Bergisch Gladbach)へ来た。
実は全く気が進まなかった。
わたしは美術館や教会を訪れたり、街歩きをするのが大好きなので、とにかく便利な街中に宿泊したい。しかも宿の質はとても大切に思っていて、趣味がよくシックで恭しいホテルが大好きだ。
この、ケルンから10キロ先にあるホテル、プファルツ選帝侯ヨハン・ヴィルヘルム(在位1690ー1716)が築城した後期バロックの建築物を改装したホテルで、威風堂々とした姿は象徴的でさえある。
予約時に写真で見たところ、あまりよく思わなかった。よくある、田舎の、オープン当時は超高級で華やかだっただろう類の大きなホテル。今は手入れも行き届かず、されど投資されるあてもなく、間に合わせが続き、寂れゆくままになったがっかりホテル。そんな先入観で、ホテルの内容は見もしなかった。
ところが、だ。
まず、なんと敷地内にミシュラン3つ星のヴァンドームというレストランがある。チェックイン時に聞いて驚いた。
これだけでもどんな内容のホテルかが知れようというものだが、場所柄と時期もあるのか、レストランは明日の予約がすんなり取れた。
あちこちに設えられた屋外のテラス席やロビーのスペースのデザイン、部屋のデザインや内容も素晴らしい。
廊下が広く、天井が高い。大階段は美術館のそれのようだ。
隅から隅まで手入れが行き届いている。
もともとドイツの効率は素晴らしいと思っていて、例えばドイツ風のダブルベッドのデュべ(掛け布団)が大きな一枚ではなく、シングル2枚になっているのの大変なファンだ。コンセントの場所や、タオルラックの多さ、収納の広さと工夫も素晴らしい。
いくらデザインが優れていたり、高級な設えや贅沢なスペースがあっても、バスルームにトイレタリーを置く場所がまず計算に入れられていなかったり、化粧鏡の角度が悪かったり、ミネラル・ウォーターをふんだんに置いていなかったりするのはよろしくない。
そしてスタッフの気持ちの良さ。わたし(と夫も)がどこへ行っても「とっても良くしてもらった!」とすぐに機嫌をよくするおめでたいタイプだとしても。
夜、8時半過ぎに到着したばかりなので(それが上の写真)、まだ他に探検の余地があるものの、このホテル、何と言ってもたいへん値ごろなのである!!!
高価でいいホテルならいくらでも紹介できるが、この質でこの料金はまずあまりないですもんね...
ケルンやデュッセルドルフでチェーンの5つ星に泊まるのなら、こちらをちょっと考えてみてはいかがかと書いてみた。