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Brugge Style
不思議な不思議な...桃のタルト
わたしの英国内での行動範囲はロンドンとロンドンから南部の地方に限られるのだが、この辺りはすっかり新型コロナ禍前に戻っていると言っていいだろう。
周りが正常化されるとわたし自身の生活も正常化される。
というわけでこのところは多忙で、ケーキのひとつも作っていなかった。
今日は金曜日(金曜日ってウキウキするよね)。
小鳥がさえずり、緑が爆発し、惜しみなく花を咲かせる5月の綺麗な光のもと、買い置きの桃の缶詰で桃のタルトを作った。
桃の缶詰は、わたしが発熱した時の非常食。しかし馬鹿は風邪もひかないのでめったに食べることもない...
ベースは砂糖をできるだけ控えたアーモンドクリームとローズマリー風味のカスタードクリーム。
紫の小さい花もローズマリーの花。今、庭で満開で、働き蜂のお気に入りである。
一日寝かせると味が馴染むので、明日土曜日の朝ご飯に食べよう。
昨日BBCのニュースによると地球温暖化で鳥の産卵・孵化の時期が3週間も早まり、ブルーベルの開花なども早まっているそうである。
昨日は他にも盛りだくさんだった。
英国統一地方選挙で与党保守党が苦戦している模様。実は夫の部下が保守党から立候補している。
保守党には最近ほとほとあきれている。
エネルギー価格の上昇(50パーセントですよ、50パーセント!!)に伴って、暖房が使えない家庭に「セーターをもう一枚着ろ」だとか、食料品が思うように買えない家庭に対して「スーパーの自社ブランドを買え」と公共放送で発言するようなズレた人たち(が少なくない)なのである。
パンがないならお菓子を食べたらいいじゃない、まさにあれである。
あるいは庶民にはパンとサーカスを与えて生かさず殺さず、である。
そんなズレズレのわたしでもできるようなアドヴァイスではなく、政治家には政治的な解決をしてほしい。
ボリス・ジョンソン首相にいたっては、「暖房が入れられないので、高齢者パスを使って一日バスの中で過ごしているご老人」をどう思うかとジャーナリストに質問されて「パスを導入したのはロンドン市長時代の私だ」と鼻高々に言い放った。しかも導入したのはジョンソン首相ではない、というオチも。
一方、BPやシェルなどのエネルギー大企業は空前絶後の収益を上げた。
イングランド銀行はインフレ抑制のため金利を1%に引き上げ。
思うように賃金は上がらず、消費は冷え込み、今後は現在のインフレ率9パーセントをはるかに超えるだろう。
また、岸田首相がロンドンで演説し、英国との防衛パートナーシップ協定に合意、原発の活用を約束、「岸田に投資して」とお願い...また同じその路線。
日本のニュースを見たら「岸田に投資」「所得倍増計画=資産倍増計画」(<ただし富裕層だけ)という華やかな部分しか(まだ?)取り上げられていない模様。これはいったいどういうことなのだろう。
報道の自由度 日本は世界71位 日本は「政権がマスコミやスポンサー企業と癒着して、政権にとって都合の悪いことは報じらていない」(こちらも昨日のニュース)
こういうことなのだろうか。
明るい5月の光とは大違いの世の中である。
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