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蠍座のアマルフィ海岸




ティレニア海に突き出たソレント半島のアマルフィ海岸は、
南のサレルノから入り
ヴィエトリ・スル・マーレ、ミノーリ、アマルフィ、ラヴェッロ、プライアーノ、ポジターノなど
そしてソレントへ抜ける。
実は陸から入ったのは初めてだ。

ヘラクレスが、愛するニンフの死を悲しみ
緑深く、空と海が出会う、最も美しい場所に彼女を葬り
柔らかく芳しいフルーツ(レモン)を植えたという土地。

古代の人はこの地のあまりの美しさに
「そうとでも説明しない限り、この美しさは定義できない」
と考えたのだ。





また、アマルフィ海洋国家として
地中海交易を掌握していたという栄枯盛衰物語も大変ロマンティックだ。
そんな面影はもう何もなく、当時を一所懸命想像してみる。


今の季節、夏のすっかり観光化された恐ろしいほどの喧騒はない。
早いうちに暗くなると、ニンフの墓所にふさわしい静かで美しい自然が闇に沈む。
ホテルのバルコニーから暮れなずむ海を眺めていると
知らず思わず、自分もニンフの死を悼んでいるかのような気分になる。

暗くなってから下へ降りて行って、広場に暖かい柑橘色の灯りを漏らしているカフェで
エスプレッソをひっかけるのが好きだ。
レモンの砂糖漬けをつまみに。
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