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もえの水晶占い



ジョルジョーネ『矢を持つ少年、あるいは聖セバスチャン』(1506年ごろ)
ウィーン 美術史美術館にて撮影。
聖セバスチャンは疫病の聖人、滅新型コロナウイルス祈願に。
この少年の、予言を預かる巫女のような雰囲気がすばらしい。


英国、イングランドは去年12月のクリスマス前に三回目のロックダウンに入った(現行)。

あ、もう聞き飽きましたか?

6月下旬の全解除をゴールに設定し、それに向けて逆算的に、先月から段階的に規制を緩めはじめた。

昨日4月12日は、不要不急の商店、美容室、動物園、屋外テラス席での飲食店経営、自炊の宿泊施設などの営業が許可された。

英国では昨日の数字で感染者3568人。
入院患者2862人。
死者は13人。

今年1月の最悪の時期、一日に6万人以上の感染者が出、3万5千人以上が入院し、1800人以上が亡くなっていた時に比べたら改善は明らかだ。

ワクチンを接種した人は全人口(約6600万人ほど)の48.2パーセント。
二回目を接種した人は11.5パーセント。
50歳以上の成人全員にワクチン接種する目標も数日前倒しで達成した。


昨日の解除に必要なチェックポイントをクリアした形だ。



ジョヴァンニ・デ・パウロ『聖ファビアンと聖セバスチャン』(1475年ごろ)
ロンドン ナショナル・ギャラリーで撮影。
わたしはこのセバスチャンが好きだ。
疫病の聖人である彼の役割を、身体に受けた矢の傷跡を病巣のように表現することにより、
とてもよくとらえていると思う。



しかし、昨日の夜のBBCニュースを見て、わたしは倒れそうになった。

商店街で商店に並ぶ人、人、人。ほとんどの人がマスクをしていない。
屋外でマスク着用のルールが残念ながらない。これを徹底したらだいぶ違うと思うんだけど...と、もえの水晶は予言しています(笑)。

こちらの店は一枚数百円から数千円ほどで薄利多売する売り場面積の広い店。
まさに不要不急の店だ。
客は買い物バスケットに何十枚もの服を片っ端から放り込み、家で試着し、後日ほとんどを返品する、という買い物スタイルが普通になっているという。

おそらくこの店では、人は気にいるものを選んで楽しむことよりも、自分が大量のものの中から気ままに選び取り、大量に買い、返品も簡単という『消費者「様」としてのパワー』を味わう、ゲーム会場のようなものだと思う。まさに資本主義的な店。

ああ、話がそれた。

ショッピングセンターの換気が悪そうな、例えば宝石屋で、席の間にクリアパネルはあるものの、密集して貴金属を物色する人たち。

屋外のテラス席で、密接して飲食している人たち。泥酔するまで飲む英国人が昨夜飲みまくったであろうことは想像にかたくない。


これでは去年クリスマス前に解除されていた時の悪夢そのままではないか。

もえの水晶占いによると、今後は気候もよくなることだし、いまだにワクチン接種が始まっていない一般の50歳以下の人たちの間で再び爆発的な感染が広がりそうな予感。

何が悪いといって、若い世代には新型コロナウイルスにかかっても無症状の人や、軽症の人が多いとしても、感染者がたくさんいる限り、変異株は出続けるのではないのか??

もちろん5月17日に予定されている、美術館や屋内の飲食店営業、海外旅行の可能性も夢と消えそう...

人がロンドンの繁華街のテラス席で満面の笑顔で飲み交わす映像の影では、Twitterで"Lockdown 4"という不吉な言葉がトレンドになった。嫌な予感を示すのは当然わたしの水晶だけではないようだ。


ニュースを見た限りでは、政府は人と距離が取れない場合は屋外でもマスクの着用、他のグループとは距離を取ることを奨励した方がいいのではないか...

英国にはもう四回目のロックダウンの余力は、経済的にも精神的にも体力的にもないはず。

気持ちは理解できるが、みんなが同時に同じことをするというのは罪だなあ...



ベリーニ『聖ジョッべの祭壇画』(1487年ごろ)
ヴェネツィア アカデミア美術館で撮影。
右に立つのが天女のような優雅さと人間性に対する深い深い慈悲をたたえて立つ聖セバスチアン。
この絵の前に立つと、芸術とは、人間が実際には目にすることのないシーンを現すものなのだなと感じる。
ハレルヤ。
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