麻雀ネタが話せるとあれば・・・。真面目な性格をカモフラージュするため、麻雀ネタはNGと思っていましたが、まあ、麻雀もよろしいということなら。
中国に行っていたときのこと。中国は賭麻雀ご法度というので、表立って麻雀をしてるところがない。たまたま、中国の実力者?が「麻雀の強い男が来た」というので、麻雀ができる場所に案内してくれた。そこは、大衆食堂の地下フロアから、「秘密の扉」を入って・・・。そう、多くの中国人の方がいました。本場の麻雀はパイを積まない。大きめな牌をひっくり返して、じゃらじゃらと混ぜるだけ。
「日本の強いボーイを連れてきた」と、中国での実力者(日本人)が挨拶したあと、卓に入って麻雀開始。「チイ」は一緒だが、ポンは「リャー」と発音していた。鳴いていいから早くあがるのが中国での強い麻雀の打ち方らしい。最初の一試合で数万円負ける。これは、当時の中国での年収にも匹敵する金額。ここで、当局に捕まったら、極刑だな~と思いながら、緊張の連続ともいえる麻雀を続ける。
これでも、地元に戻れば、弟子をもつ身。負ける訳にはいかない。鳴き麻雀で取り返す。コツがわかれば、実力はあるのだから、負ける気はしない。だって、「哭きの竜」というのが私のあだ名だから。やっているうちに、なんと、チートイツが凄く高い手だというのがわかった。それならば・・・
チートイツをてんぱったので、「オープン」してあげた(オープンすると倍の点になる)。ざわめく中国人たち。周りの卓からも、この闘いを見に来る。「アイヤー!」「ヘンハオ!」「プーツオ!」「リーベンレン!」と周りで叫ぶ。喝采!
これをあがれば、かの地の年収分が一局でいただくことができるのだから。卓にいる人の顔も引きつっている。早上がりの中国麻雀では、このオープンは、四暗刻をオープンしたのと同じ価値があるようだ。本当に、中国の朋友達は、日本の若造の戦いを熱狂して応援する。
周りは、当局のお偉いさんやら、自営業で儲かっていそうな人々ばかりだったが、それでも、この「日本の雀士」の打ち方は、奇想天外だったようだ。結局、最後まであがることはできなかったが、「若いのに、勇気がある!」「日本のボーイも侮れない」「凄いぞ!」等々・・・そして、ある程度取り戻して、その場を後にした。
実力者に「結局、ちょっと負けちゃいましたね・・・」といったが、「いい闘いをした。私も安心したよ」といわれた。そう、当時の私のような、若武者は行ってはいけない場所だったんですね。
ただ、中国で生まれた麻雀を、本場中国でできたのは、いい経験でした。国外強制退去、あるいは、犯罪者としてのリスクを犯してまでの闘いでしたが、「日本の雀鬼」の名を汚さなかったことは、本当によかったと思います。
今月の学生会の会報を拝見したところ・・・私の撮った写真が掲載されていました。ここのところ、カメラマンとしての腕を磨いているといったところでしょうか。ちょっとでも、お役に立てて本当にうれしい限りです!