今朝の日経新聞朝刊43面に「SNEP」なる言葉が掲載されていた。
「SNEP」は「スネップ」と読み「孤立無業(SOLITARY NON-EMPLOYMENT PERSONS')」をあらわす言葉として東大の玄田教授が名付けたものである。社会参加できず、他者とのつながりも持てない、そんな無業者を示す言葉である。
定義としては「仕事や就業をしていない20~59歳の未婚者で、一緒に過ごす人が2日連続で家族以外にいなかった人」とのことだ。
2005年の労働白書に「ニート」という言葉が登場してから9年。国が定める「ニート」の定義が「通学や家事をせず、求職活動もしない15~34歳」なのであるが、「ニート」が高齢化しつつあるので、実態にあった年齢設定等修正したのが「スネップ」といえるのかもしれない。
「ニート」なり、「スネップ」なりが生きていけるのが日本という国の特徴であろう。海外に目を向けると、無業者は生きていくために「ひきこもること」が許されない国が大多数である。「日本という国はダメだ」とか「日本の政治は最悪だ!」と言う人も結構いるのだが、このような無業者が生き延びていける国であることを考えると、少なくとも「最悪」ではないと思わざるを得ない。無論、局所的に見ていくと「絶望」すら感じさせる施策は多々あるのだが・・・
私が資格を多数持っていることを知っている人は「フラ夫さんなら失業しても安心ですね」とか「クビになってもすぐ仕事がみつかりますね」とか言ってくださることもある。でも、私の場合、クビになったら、即、スネップの仲間入りとなるのでは・・・と危惧している。
なるほど、資格は多数保有している。しかし、どれもこれも腐っている。「STALE LICENCE PRESENTED」(使い物にならない腐った資格が提示された)ということで、何の価値もない。実際、本人が「資格で活用しているのはセルフのガソリンスタンドで給油する際の危険物取扱者ぐらい」と言っているのだから仕方がない。
あるいは、山積する学位記についても、学歴詐称と指弾されないよう、すべて履歴書に書いたとすると・・・履歴書が1枚では足りなくなってしまう。人事のプロなら、すぐに「こいつは学位マニアだな」と判断するだろう。採用担当者はリスクを回避するため、極端な奇人を採用することを拒む傾向にある。「あんな変なやつを採用したのは誰だ!」というリスクを避けるためである。
どんなに優秀であったとしても、「規格外」はダメなのである。そんなことは、キャリアコンサルタントになったときから知っていたし、一般の常識でもわかることである。職歴欄が溢れる人が採用されないのも考え方は同じ。どれだけ優れた人であれ、履歴書を上回る転職をしていると規格外となってしまい、採用の可能性は一気にダウンしてしまう。
無論、これは「通常の採用」での話であり、ヘッドハンティングとか、スカウトされた場合、基準は別物となる。「クビになるまで今の会社に勤めよう」と思っている以上、クビになってからでは、四捨五入すると50歳で、業界で無名の私に興味を持ってくれる企業なんてありはしない。
だから・・・私も「スネップ」の仲間入りとなる。「スネップ」・・・一字変えると「スマップ」だな。歌って踊れる中年アイドルみたいな「スネップ」という呼称。でも、メンバーには加わりたくないというのが実情である。