正門には「仏教はなぜ必要とされたのか-中国仏教の場合-」という公開講座の看板が立てかけてありました。
インド仏教が中国仏教に伝来した当初から、仏教はその姿を大きく変えて伝来してきたのです。以下、私が中国仏教特講で書いたレポートの一部を抜粋してみました。
「中国に仏教が伝来し、最初に確実に仏教を信仰したのは、漢の明帝の異母弟であった楚王英」(1)とされる。「楚王英が信奉した仏教は、当時の民間信仰と調和順応した仏教であり、楚王英は、仏陀を神として祠り、福を求める現世利益、不老長寿を主旨とする宗教として仏教を信奉した」(2)のである。すなわち、仏教はスタートの段階で、既に、釈尊の啓いたものとは形を変え、中国に伝来したこととなる。
こんなことを学んでいるわけですね。特に、中国の場合、仏教が伝来する前に、儒教とか老荘思想とかありましたから、色々な土着の宗教等とごっちゃになってくるのです。
とはいえ、この公開講座には出席していませんので、どのようなお話があったのか不明ですが、中国仏教における「曇鸞」「道綽」「善導」を学ばないことには、浄土教を語ることはできません。ゆえに、仏教学研究科に在籍する身としては、避けることはできないものとなっております。