マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

友のこと ③

2010年08月20日 | 喜働

西部斎場。

人気blogランキングへ  ← クリックを御願いします!

焼かれている。 扉に一人で手を合わせた。 親族は待合室。 近寄る気もしない。 俺は感情が表に出るのを制御出来ないのだ。

やけに青い空を見上げていた。 そう言えば。 朝からタバコを吸っていない。 「もういいや」  何もかもイヤだ。 タバコを吸うのさえイヤだ。

中学校の3年生で初めて同じクラスになった。 新学年。 最上級生。 5月には修学旅行。 高校。 互いに引っ越して近所になって。 大学時代。 就職。 結婚は俺の方が早くて。 子どもはお前が先で。 俺は転職。 お前は転勤。

次々と浮かんでくる。

タバコは、その日から完全に止めてしまった。 2年と1ヶ月と1週間。

青空。

「… 様の御遺族の皆様 …」

少し離れて遺骨が納められていくのを見る。 あの兄貴も さすがに馬鹿話はしていない。 おかげで、心底からの 怒りを感じなくて済む。

奥さんが俺を見付けて。 「どうか、拾ってやってください」

箸を受け取る。 虚しい。 お前の骨の脆さが虚しい。 まるで お前の生き方そのもので虚しい。

 

翌日。 奥さんに手紙を出した。 墓に入れたら教えて欲しい、と。

遺骨を祀ってくれるとは思えなかった。 直ぐに納骨されると感じていた。

俺が書いておかなければ いけないと思ったこと、それは実はここから始まる。

人気blogランキングへ

ブログ ランキングに参加中です