クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雨の日に読む小説・10(『雨の日文庫』麦書房)

2020-04-14 | 本と雑誌

さて・・

 

長らく お送りしてきた

「雨の日に読む小説・特集」

ですが、

 

 なぜ クリンたちが、この

とくしゅう(特集)

やろうと 思い立ったのか

 

その、

理由となる 本の紹介

しておきたいと 存じます

 

 その本とは クリン家に、

40年くらい前からある、

『雨の日文庫』

です

 

 

 あめのひぶんこ(雨の日文庫)

とは、

「雨の日に、お家で読みなさい

っていういみ(意味)で

あつめられた、

分冊シリーズで、

 

 これくらいの うすい本が、1はこ(箱)につき

20冊くらい 入っています

 

いちおう、

子ども向けに 刊行された

ものであり、

 

 今も「むぎ書房」という名で

世田谷に 存在する、

国語教育・充実系出版社、

「麦書房」が 

作りました

 

 小学校・低学年向けの、「ごんぎつね」とか、

 小学校・中学年向けの、「カシタンカ」(ロシア文学)

とか、

 今じゃ、あまりお見かけしない、児童文学者

豊島与志雄や筒井敬介 etc・・)

作品など

 

昭和を かんじさせてやまない

なつかしくも

良しつ(質)な 作品が、つめこまれています

 

 (表現上、さいきんじゃ、タブーっぽいタイトルも

あったりして、

ワクワクします

 

 

うちのチットは、

この ぶんこ(文庫)

を 大切にしており

 

 「生涯、捨てない」って、言っています。

 

 「雨の日に1冊ずつ読んでも、

我が家には『雨の日文庫』が

4セットあるから、

80冊

 

いくら雨が降ろうとも、問題ないわ

 

チットは むねを はりました

 

が・・・

 

 しらべると・・、東京の

「平均降雨日は、年間100日

くらいはあり、、

 

80冊では

足りないのではないか・・

 

クリンは 気づいてしまったのでした。。

 

(言いませんでしたが・・)

 

 

 

(次回、最終回は、あの人の名詩をよみます

 

 

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雨の日に読む小説・9(半村良『雨やどり』感想)

2020-04-13 | 本と雑誌

人生のかげ(陰)とともに、

よもやまのドラマを 運んでくる

 

それが、

他の場所より 多めに ふっているのが、

夜のまち(街)です

 

 今日、ご紹介するのは、

はんむらりょう(かんじ:半村良)

「直木賞受賞作」、

『雨やどり』です。

 

 「新宿馬鹿物語」という、れんさく(連作)の

一話で、

ぶたい(舞台)は 

かぶき町(東京都新宿区歌舞伎町)、

主人公は

バーテンダーです

 

 ・・・ある日、自分のマンションに、ぐうぜん

雨宿りした

キレイで 品のある

ホステスと、

一時、恋に落ちて

しあわせだった

バーテンダーが、

 

「結婚を考えた時」に ホステスに 去られる・・

 

 と いうだけの、みじかい

ストーリーなのですが、

この バーテンダー

および

ホステス

が、

かたぎ(堅気)みたいに 初々しい 2人であるため、

 

クリンたち、

昼間のにんげんでも、入り込めます

 

 

(しかし・・やっぱりラストは、夜の世界っぽい、世知辛い・別れ方です。。

 

 昭和の「歌舞伎町」と、令和の「歌舞伎町」

では、

はたらく人の フンイキも

だいぶ・ちがうのかな・・?

 

とは 思いますが、

 

 

2人が 

おうせ(逢瀬)を かさねる

マンションのある、

「新宿~四谷」の まち(街)の フンイキは、

作中と

あまり

かわっていませんので・・

 

 

あの辺りのフンイキの良さを 知る方には、

オススメしたい作品です

 

 

 

(次回は、「雨の日文庫」をご紹介いたします。ラスト2

 

 

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雨の日に読む小説・8(道尾秀介『龍神の雨』感想)

2020-04-12 | 本と雑誌

「雨を背景にした小説は、あまりカラッとしていない

と 

いうことは、

時代せってい(設定)を 問わず

どうも いっしょのようで・・

 

 先だって・ご紹介した、時代小説家、

山本周五郎の けいふ(系譜)を

引く

現代小説家・みちおしゅうすけ(かんじ:道尾秀介)

の 雨小説も、

わりと

びしょぬれです

 

 「道尾秀介」とは、1975年生まれの 

若手ミステリー作家

 

今を生きる人々の、

こどく(孤独)や

いたみ(痛み)を

描きつつも、

 どんでん返しで、ラストを

しめくくるのが

好きな、

「直木賞作家」です

 

 この方が書いた、『龍神の雨』(りゅうじんのあめ)

という小説を、

今日は 

ご紹介します

 

 お話は・・「家庭環境が複雑な 二組のきょうだいが、

一つの殺人事件で 絡み合う

いうもので、

 

二組とも、

まま(継)父や、まま(継)母と くらす

子どもたちです。

 

 

 かれらが・・、のっぴきならない・状況に 

追いこまれ

ぜつぼう(絶望)したり

号泣したり

大人のワナに はまって

苦きょう(境)に 立たされる

 

おも~い・お話。。

 

 ・・・でも そこに しんじつみ(真実味)が

あり、

(作者は、決して 趣味嗜好でダーク小説に走っているわけではない)

という、

やさしい心が

かんじられます

 

 世の中には、「不幸な境遇

の人がいて、

その人たちに 

さしのべられる手は、

あたたかい手ばかりではない

 

・・・・・

 

もし、

あたたかい手を さしのべられても、

にぎり返し方が

わからない

 

 「そんな人々を、切り捨てることは できますか

いや、

できないでしょ

 

と 言わんばかりに、

 

 さいごは、雨を 小やみにさせて、少し、救いを

もたせる

 

みちおしゅうすけ(道尾秀介)

って

そんなかんじです。

 

 

 ・・・ひさん(悲惨)な きょうぐう(境遇)と

むえん(無縁)に 生きる、

「順風満帆な読者

からは、

いまいち・りかい(理解)されないところも

ありますが・・

 

 セーフティネットな 考え方を もっていそうな

道尾さんのこと、

(良い人なんだろうな

思い、

クリンは

この小説にも、

おおむね・まんぞく いたしました

 

 

 ひとつだけ・・

「龍神が、手賀沼に あらわれる」

って

いうのはなあ~・・

 

だって、てがぬまだよ

あびこ(千葉県我孫子市)の。。

 

まつど(千葉県松戸市)出身のクリンとしては、

 

いわかん(違和感)しかない。。

 

 

あの、てがぬまに、りゅうじん・・って。。

 

 

 

(次回の雨小説は、半村良の直木賞受賞作『雨やどり』です

 

 

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雨の日に読む小説・7(藤沢周平『驟り雨』感想)

2020-04-11 | 本と雑誌

 山本周五郎と、「人情話」

そうへき(双璧)を なす

時代小説家、

ふじさわしゅうへい(かんじ:藤沢周平)

 

 

山形県あたり

はんし(藩士)を描く、

サラリーマン武士の話で おなじみですが、

 

この方も、

江戸のしせい(市井)の人々

けっこう 

書いています。

 

 ここに、一冊の「短編集」が

あります

 

表だい(題)にも なっている

『驟り雨(はしりあめ)』

 

 

これなんか、

まさに

力弱き・町人男女の ひあい(悲哀)と 

助け合いせいしん(精神)

みちていて

 

「儚げな力強さ」を かんじることが

できる・本です

 

 

 全部で、ショートストーリーが

10話・入っており、

このうち、

作中で「雨が降っている」のは 2話だけ

なのですが・・

 

すべての作品の とう(登)場人物の 

人生に

雨が ふっていて

 

ちょっと

かなしくなります。。

 

 たとえば・・・

 

:夫の死後、よたか(夜鷹)に 身をおとした女

:身がって(勝手)な別れ話に 応じる女

:あたまがにぶくて、夫に捨てられた女

:足がわるくて、夫に捨てられかける女

 

etc・・

 

 

 そのなかに、「真の心が 描かれていなければ、

とうてい、読み切れない

 

でも・・

 

人間のあやまち だけでなく、

こうかい(後悔)や

しょくざい(贖罪)を もり込んでくれているから、

 

読んだあと

ガッカリしない

 

 ふじさわしゅうへい(藤沢周平)の ペンで、

江戸の雨は

やさしい

じょうかん(情感)に みちるのでした

 

 

 

 

(次回の雨小説は、道尾秀介『龍神の雨』を、レビューします

 

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雨の日に読む小説・6(山本周五郎「雨あがる」「雨の山吹」「しぐれ傘」感想)

2020-04-10 | 本と雑誌

 「江戸には、怪異の雨のみならず、人情の雨も降る」

 

これは、

時代小説における・定石であり

 

江戸時代を 

ぶたい(舞台)とする小説をよめば、

すぐ・わかります

 

 とくに、「人情雨」を ふらせる

作家

といったら、

やまもとしゅうごろう(かんじ:山本周五郎)

トップバッターで、

 

ひうん(悲運)に 見まわれた人や、

びんぼうくじを 引かされる人々

だいたい・主人公に

しているため、

 

「雨に降られるという・シチュエーションが、やたら・しっくりきます

 

 

<3作品を ご紹介します

 

 その1、映画にもなった

『雨あがる』。

 

これは、

人がよすぎて・士官もままならない

「剣の達人」の話で、

ふうふあい(夫婦愛)が すばらしく、

どくごかん(読後感)が、グ~(good)

 

 また、たんぺん(短編)には

 

幼なじみとして 育ちながら、

主家と家臣という 身分のちがいにより

人生が 大きく枝分かれしてしまった

サムライたちの話、

『雨の山吹』

(切ないやつです・・)

 

 町人物だと・・、「彫り物名人」の男が、

おのれの

しょくにんだましい(職人魂)

つらぬき通す

『しぐれ傘』。

 

などがあり・・

 

いずれも、作中では 

雨が 効果的に ふっています

 

 冷たい雨に 打たれる日があれど

 

りん(凛)として

そこに立つ

いっこ(一個)の人々を 描く

 

それが、山本周五郎の 雨小説なのでした

 

 

 

(次回は、藤沢周平の雨小説、いきます

 

 

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雨の日に読むマンガ(杉浦日向子『百物語』の雨怪談)

2020-04-09 | 本と雑誌

「江戸時代の雨には、怪異がひそむ

と 

いうことを

『雨月物語』から 教わった

クリンですが、

 

それは、

もともと・知っていたような 気がします・・

 

 『百物語』のなかに、

雨のかいだん(怪談)

出てくるからです

 

 

この本は、

小説ではなくて マンガなのですが

 

 描いたのは、すぎうらひなこ

(かんじ:杉浦日向子)という、

「江戸風俗研究家」

です

 

 『小説新潮』に、足かけ8年・れんさい(連載)

された、

ひゃくものがたり(百物語)

 

それは、

日向子さんが

江戸時代の文けん(献)から 拾ってきた

「怪談話」を、

 

1話・7ページで

かんけつ(簡潔)に 紹介した、みじかいマンガ

で、

本格的・かつ、

大人向けに かかれたもの・・

 

 そんなに こわい・仕かけとかは ないのですが・・

 

うす暗い・しょうじ(障子)の

うちで、

雨の音を 聞くような・・・

 

ひょうひょう(飄々)とした

ふしぎな 

かいいたん(怪異譚)

 

 『百物語』中の 2つのお話、「雨中の奇物の話」

と、

「長雨の怪・二話」は・・

 

まだ、

せつめいの つかないことだらけであった

江戸時代の

雨の 匂いを、

はこんできてくれます

 

 

 

(次回は、山本周五郎の雨小説、いきます

 

 

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雨の日に読む小説・5(上田秋成『雨月物語』の雨シーン)

2020-04-08 | 本と雑誌

「追悼の意」を こめて、

古井由吉の作品

など

とりあげましたが・・

 

 「日本における・雨小説

といって

多くの人が 思い出すのは、

『雨月物語』なのではないか

存じます。。

 

 それは、江戸時代・・ うえだあきなり

(かんじ:上田秋成)が

書いた、

かいだん(怪談)・・

 

 ・・・という・にんしき(認識)で、

じっさい、

内容を 知っている人は

ほとんどいないのでは なかろうか・・

 

クリンは 

思いましたので、

どういう話なのか しらべました

(現代語訳付きを、読みました

 

 ・・・そして、わかったのは

 

『雨月物語』は

9つの ストーリーから 成り立っていて、

それらが

大きな ひとつのお皿に のっている

 

と、いうこと

 

 

<9つのストーリー・以下要約

 

 その1、西行の前に、崇徳院の怨霊が現れる話

その2、死してなお、義兄弟との約束を守る男の話

その3、死してなお、夫を待つ妻の話

その4、仮死状態の間に、魚に変身する画僧の話

その5、高野山で、関白豊臣秀次の霊に遭う話

その6、夫の浮気により、怨霊化した女の話

その7、魔性の女に魅入られた男の話

その8、鬼になった僧と、それをやっつける僧の対決

その9、どういう人がお金持ちになれるのか?を説いた話

 

 

(それらが、全体として からみあっています

 

 かいせつ(解説)によると、

これらは 

中国の昔話によるところが

大きく、

「博学多才」な 上田秋成が、

自分の学んできたことを 

じゅうおうむじん(縦横無尽)に あらわした・さんぶつ(産物)である

 

 

ということが わかりました

 

 今回・知ったのですが・・

 

上田秋成は 幼いころに

指を 2本なくし、

かなり・へんくつ(偏屈)な「知恵者」として

生がいを まっとうした

関西人、だったようです。

 

 しん(親)友・チットは、青木正次さんという

研究者の、

とても・ていねいな「注釈」

かんしん(感心)し、

 

上田秋成が何を表現したくて『雨月物語』を書いたのかが、うっすら分かった

本の かんそう(感想)を 

述べていました。

 

 

が・・しかし・・・

 

 けっきょく、物語の中で、

雨って ふっていたか

 

といえば、

さいしょのほうと

中のほうで

少ししか・ふってなくて

 

『雨月物語』は、

「雨」よりも、

「月」に ポイントをおいている・文学作品なのだ 

 

という

「調査結果」に 終わりました。。

 

 ・・・・ 日本一・有名な「雨小説」でも、

この、体たらく

 

 

 

(次回は、もっと・雨が降っているお話を、持ってきます

 

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「日本の名随筆」より、若山牧水の雨の短歌

2020-04-07 | 本と雑誌

 昨日、ご紹介した、古井由吉も

きこう(寄稿)している

『日本の名随筆』

という

エッセイ集に、

 

「雨」を テーマにした 一冊があります。

 

 

 80年代に 出版され、

昭和を 代表する

作家たち

が、

1~3ページくらいで

「雨」についての ずいそう(随想)を

つづっている、

なかなか・ぜいたくな本 

なのですが、

 

 その、48人の作家の 雨エッセイの中で、

クリンが

イチオシするのが

 

わかやまぼくすい(かんじ:若山牧水)

の、

「なまけ者と雨」

です

 

 若山牧水は、自然をよませたら、

そのセンス・ピカイチ

歌人で、

この、

気がねなく書かれた・エッセイにおいても

序文からして、

すばらしいです

 

 <ちょっと・抜粋・・>

 

「雨を好むこころは、確かに無為を愛する心である。

 

・・・

 

すべての企てに破れたようなこころには まったく雨がなつかしい。

一つひとつ降って来るのを 仰いでいると、

いつか心は おだやかに凪いでいく。

 

・・・・

 

梅の花のつぼみの綻びそむるころ、

消え残りの雪の上に降る強降のあたたかい雨がある。

桜の散り過ぎたころの草木の上に、

庭石の上に、

または わが家の屋根、うち渡す屋並の屋根に、

列を乱さず降り入っている雨の明るさは

まことに 好ましいものである。

 

しゃあしゃあと 降るもよく、

ひっそりと 

草木の葉末に 露を宿して降るもよい。

 

・・・」

 

 

 (・・・ステキです

 

 

ちなみに

 

 ここからが 牧水の「本領発揮」で、「雨」を よんだ歌

が、

られつ(羅列)されます

 

 

<お気に入り・4首を、クリンが ピックアップ

 

 「 わが庭の 竹のはやしの 浅けれど

降る雨見れば 春は来にけり 」

 

 「 ぬかるみの 道に立ち出で 大雨に

傘かたむけて 梅の花見つ 」

 

 「 わがこころ 澄みてすがすがし 三月の

この大雨のなかを 歩みつつ 」

 

 「 あきらかに わがたましひを 打つごとき

この夜の雨を 聴けばなほ降る 」

 

 

 

そこへ、

しん(親)友・チットが 

やって来ました

 

 「あ~・・やっぱり、若山牧水はいいね

 

でも・・

クリンがやってたのって、

『雨の日に読む小説』の紹介じゃなかった?」

 

 

「う・・うん。。なんか、あんまりなくて 雨小説・・

 

 

 

(でも、なんとか、小説の紹介にもどります

 

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雨の日に読む小説・4(古井由吉『雨の裾』)感想

2020-04-06 | 本と雑誌

 「雨の小説を テーマに

お送りしている、

クリンの 

ブックレビュー(書評)

 

 

外国の小説ばかり 

でしたので、

ここらでひとつ

日本の作品も 取り上げたいと 思います

 

 古井由吉の、『雨の裾』(あめのすそ)

 

 

 

ふるいよしきち(古井由吉)

とは、

戦後、有名だった

東大出身の「芥川賞作家」

です。

 

 

今年(2020年)・2月に お亡くなりになったそうで・・

家ぞくが 

ひさしぶりに よみかえしていたので、

クリンも 

その存在を 知りました

 

 たんぺん(短編)小説

『雨の裾』

は、

主人公の男が、

死の床にいる・お母さんを みとりながら、

かん(看)病に 来てくれている・彼女と

お母さんを 通じて、

「女」という生き物に 対する、あれや・これや・・

 

を おもう。。

 

 

という、

とりとめのない、エッセイ風・小説です。

 

 うちのチットは、昔、古井由吉の

研究をしていた・友だちに

すすめられて

古井作品を 何冊か

よんだらしいのですが、、

 

その時は、

 

 「概して、モヤ~~~~

っとしてるのよ

 

女を じっと・観察しているような

語り口でさあ。

 

かと言って

見透かされているような感じは 全くないんだけど・・

 

こねくりまわし系の 作風で、、 

あてられちゃったわ。。

 

ディスって いましたが、

 

 「けれど・・ それでいて、

深い精神性っぽいものを

匂わす・・

それが、古井由吉の文章ね

 

ホメてもいました

 

 

 古井さんは、東京生まれ、「東大進学」、

「金沢大学で助手経験」あり、

「カフカの研究経験」あり、

「谷崎潤一郎賞の受賞経験」あり、

いうことで、

 

「高踏的・泉鏡花流・哲学・アンニュイ・ちょいエロ」

の 

作風であることは

おして知るべし・・

 

 「・・・でも、十数年ぶりに読んだら、印象が少し

変わってたよ

 

この人の、

なんていうか・・

朽ち果てていくものへの哀惜を、

それほど重いと 感じなくなったの。

私自身がね

 

とも、

今回、チットは 言っていました。

 

 

つまり

 

そこから・考えるに、

古井作品は・・

 

年をとれば

だんだん・わかってくる(ゆるせてくる)・・

 

そういう・部るい(類)の 文学

で あるらしい。

 

 いつ・やむか また・ふるのか

よめない、

ぐずぐずした

雨空・・

 

「それが、古井由吉の文学である

と 

するならば、

 

雨の日どくしょ(読書)に ふさわしい

作家さんである

いえるかも しれません

 

 

 

(レビューは、つづきます

 

 

 

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雨の日に読む小説・3(グレアム=グリーン『情事の終り』感想)

2020-04-05 | 本と雑誌

『雨』

が、

男女のむね(胸)のうちを 冷たく ぬらす

文学作品

 

と、いえば

 

 『情事の終り』

を、

かならず

あげなければならない

 

と、

しん(親)友・チットは 言ってます

 

 イギリスの国民的作家・グレアム・グリーン

書いた

けっさく(傑作)、

『情事の終り』(じょうじのおわり)

 

 それは、タイトルが 示す通り、

フリン(不倫)の 小説

です

 

 

<さいしょだけ、あらすじ>

 主人公は、そこそこ・有名な

作家

で、

「官僚の美人妻」と 男女かんけい(関係)に 

ありました

 

作家は、

「次の小説では、官僚のことを書~こう

と 

考えて

ネタづくりのために

美人妻に 近づいたのですが、

 

 

やがて 本気になり、

はんもん(煩悶)しはじめます。。

 

 しかも とつぜん・彼女が れんらく(連絡)を

た(断)ってきたものだから

はんもん(煩悶)は

拡大され、

 

 

くやしさ、

かなしさ、

みれん(未練)、

しっと(嫉妬)、

ぎわく(疑惑)、

 

 

全部 かんじなければ ならなくなり、

 

苦しみます。。

 

 

 (・・・この恋は、本気愛ではなく、

単なる情事だったのか

 

 

それを

たしかめたくて、

 

主人公は、

彼女を

たんてい(探偵)に 探らせるのですが・・・

 

 

 「この本については・・文章が最高だから、

皆さまにも読んでほしい。

だから、ネタバレしないで

 

結末を 教えてしまったら

おしまいだから・・。」

 

 

チットが くぎ(釘)を さしてきたので

 

その後の てんかい(展開)は

ナイショです。

 

 ただ・・・

 

物語の「登場人物」たちは、

主人公も、

フリン相手も、

その夫も、

 

みんな・ぜんりょう(善良)

で 

あたまの 良い人たちで、

 

 自分の心に 向き合って・苦しむ、

じゅんすい(純粋)な たましいの

持ち主だった

 

とだけ、

 

申し上げておきます。

 

 (ある一定以上のレベルの人々が「道ならぬ恋」に

ハマると、

こんなふうになるんだ・・)

 

ということが わかる、

大人すぎる・一冊、

『情事の終り』・・

 

 

「婚外恋愛当事者

には、

あらりょうじ(荒療治)となり、

 

「人生経験豊富な読者

には、

人生における・何事かを かくにん(確認)させ、

 

「未熟者」には、

どくしょ(読書)による・「疑似体験」を 

ていきょう(提供)してくれる、

 

よりすぐりの 人間ドラマ、

 

 

言えます。。

 

 

 クリンのような、みじゅく(未熟)者には、

ぜったいに

わからない・りょういき(領域)

ですが・・・

 

 (・・・そ、そのうち、

さんこう(参考)に することも

あったりするのだろうか

 

 

 

ゆづ~~~~

 

 

 

 

 

(明日は、日本の「雨小説」を ピックアップします

 

 

 

 

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雨の日に読む小説・2(アーネスト・ヘミングウェイ『雨の中のねこ』)

2020-04-04 | 本と雑誌

文中の「雨

が、

心の内がわを ぬらしていく

海外小説に

 

 アーネスト=ヘミングウェイの、

「雨の中のねこ」

という

たんぺん(短編)が あります。

 

(←あの、文豪です「老人と海」とかの・・)

 

 

 ・・・小説の ぶたい(舞台)は、イタリアの

リゾートホテル

で、

そこに たいざい(滞在)中の

若い アメリカ人ふうふ(夫婦)

主人公です

 

 この二人・・、いわゆる「倦怠期」に

さしかかっている

カップルで、

 

つま(妻)は、モヤモヤしています

 

 せっかく、イタリアに

来ているのに、

冷たい雨に 

ふりこめられ

うす暗い気分に なるうち

 

たまたま 見つけた

雨の中の

いたいけな・子猫に、

 

ふと・自分をかさねたのか

 

拾いに行く つま(妻)・・

 

 

 

みたいな 話

 

 どこの つま(妻)もが、(一度は、同じように

モヤっとした

経験が あったかな・・?)

 

と 

さっかく(錯覚)する、

 

雨のきおく(記憶)の パッチワーク

のごとき

ショートストーリー

 

 すぐ・よみおわるので、(えっこれだけ

あっけに とられてしまいますが・・

 

かくじつに 

むね(胸)に 何かがのこる、

そんな 作品です

 

 

細々とふるけれど、

いつの間にか 全身をぬらしている

春の雨のような

 

 

しずかにして

アンニュイな お話しでした

 

 

 

(「雨の日に読む小説」~明日は、イギリスの国民的作家・グレアム=グリーンです

 

 

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雨の日に読む小説・1(サマセット=モーム『雨』)

2020-04-02 | 本と雑誌

 ここ数日、雨が ふるように

なりました。

 

  春です

 

 

そこで

今日からは、

春の雨の インドアライフ

沿うような、

 

「雨の日に、読みたい小説」

を、

いくつか 

ピックアップしていこうかな~

 

なんて、思います

 

 

<その1>

 

「雨」といって 思い出す小説、

 

といえば・・

 

 タイトルからして、ずばり

雨』

の、

サマセット=モームの『雨』

が 

外せませんので、

ここから いかせていただきます

 

 ・・・まあ、小説のぶたい(舞台)が

「サモア」の 島なので、

ふる雨も

ねったい・とくゆう(熱帯特有)

ドワ~~~~~~

っていう ごうう(豪雨)であり、

 

日本の春の長雨とは、かけはなれているのですが・・・

 

せっかく・文ごう(豪)が

「雨の描写に、最大の意識を注いで書いた」

名品

 

ですので、

 

ここは、けいい(敬意)を 払って

よんでみたいと 思います

 

 主人公は、伝道にもえる・キリスト教の

せんきょうし(宣教師)

 

たまたま・のった船

が、

けんえき(検疫)に 引っかかってしまい

 

雨りょう(量)が多い

太平洋の島に、

2週間 

たいざい(滞在)することに なりました

 

 その間・・、同じ宿に 泊まっていた、

あばずれ・しょうふ(娼婦)

悔い改めさせよう

せんきょうし(宣教師)ディヴィドソン

しつこく けいもう(啓蒙)する

 

のですが・・・

 

 この地方・とくゆう(特有)

の、

何もかも

押し流してしまうような

はげしい・雨の力に

押し流されて・・・

 

 

ディヴィドソンの りせい(理性)も 

あらがいがたく

押し流されてしまう・・

 

 

そんな、

大人向けの お話しです。(

 

 ・・・・どこにも 行き場がないほど、ふりつづける

不快な雨に 

ひたされつづけると・・

 

人間の 見せかけの小ぎれい(綺麗)さ

なんて、

ふやけてしまうんだよ

 

とでも、言いたいのか

 

 

作者のモームは

(ああ・・)な

ラストシーンを ようい(用意)していますが・・・

 

 「なんだか、新型コロナウイルスで、2週間

閉じ込められた豪華客船を

彷彿とさせるわ~

関係ないけど

でも、

こういう、ただれた文章に 汎用性を持たせるなんて・・

 

さすが、文豪だね

 

しん(親)友・チット

は 

不快そうに、かんしん(感心)してました

 

 

 

 

(明日は、アーネスト・ヘミングウェイの雨小説を、レビューします

 

 

 

 

 

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「WOMEN~女性たちの世界史大図鑑」感想

2020-04-01 | 本と雑誌

さいきん、

「読みごたえ」のある・本ばかり

よんでいましたが、

 

いちばん・しつりょう(質量)ともに 重かったのが、

この本です

 

『WOMEN 女性たちの世界史大図鑑』

 

 

ここには

先史時代~現代までの

古今東西の 有名女性

が、

見開き1ページで 紹介されています

 

 たとえば女王、王妃、巫女、高級しょうふ(娼婦)、

戦士、

スパイ、

医者、

政治家、

学者、

文学者、

アーティスト、

女優、

スポーツせんしゅ(選手)、

 

などの 有名どころから・・

 

 ナイジェリアの女王や、

インドのとうち(統治)者、

軍をしき(指揮)した「ブルターニュ侯爵夫人」、

ザザウ王国の女王、

といった、

 

 「だれそれ

な 

人々まで、

 

実に はば広~く、

知らなかった・女性の世界を

知らせてくれます

 

中には、

男・顔負けの「女性海賊」や、

「女性犯罪者」も

とりあげられていて・・

 

 クリンは、うかつにも アメリカのごうとう(強盗)、

ボニー=パーカーのこと、

(かっこいいな・・

なんて

思ってしまいました

 

 また、生身の女性以外にも・・「不老不死の薬を盗んで

月に逃げた嫦娥(じょうが)」

など、

神話の人物とかも いたりして・・

(※中国の、中秋月餅を食べるきっかけとなった美女です

 

 

いろいろな ヒントをもらえる

しげき(刺激)にみちた 

一冊なのでした

 

 べんきょうになること・この上ないのですが、

 

・新石器時代の女性の腕の骨は、現代のボート選手の腕の骨よりも強靭だった。

とか

・1969年のソ連には77万5000人の女性エンジニアがいた。これは当時のアメリカのエンジニアの総数とほぼ同数だ。

 

など

 

「えええええ~~~~

な 

じょうほう(情報)も あって おもしろい

 

 いけにえ(生贄)や、まじょ(魔女)、男社会の

ぎせい(犠牲)になった

弱き存在としての 

女性たちにも

相当のページを さいており・・・

 

名もなき女性の 日々の営みや、

どれい(奴隷)女性、

じゅうご(銃後)女性、

ろうどう(労働)力としての女性

の パワーや

フェミニズムにも きっちり・ふれていて、、

 

 深みが ありました。。

 

 クリン・・ 女性なのに、女性のことを 

知らなさすぎたな。。

って

はんせい(反省)しています

 

 

 

(ブックレビューは、つづきます

 

 

 

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