クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雨の日に読む小説・7(藤沢周平『驟り雨』感想)

2020-04-11 | 本と雑誌

 山本周五郎と、「人情話」

そうへき(双璧)を なす

時代小説家、

ふじさわしゅうへい(かんじ:藤沢周平)

 

 

山形県あたり

はんし(藩士)を描く、

サラリーマン武士の話で おなじみですが、

 

この方も、

江戸のしせい(市井)の人々

けっこう 

書いています。

 

 ここに、一冊の「短編集」が

あります

 

表だい(題)にも なっている

『驟り雨(はしりあめ)』

 

 

これなんか、

まさに

力弱き・町人男女の ひあい(悲哀)と 

助け合いせいしん(精神)

みちていて

 

「儚げな力強さ」を かんじることが

できる・本です

 

 

 全部で、ショートストーリーが

10話・入っており、

このうち、

作中で「雨が降っている」のは 2話だけ

なのですが・・

 

すべての作品の とう(登)場人物の 

人生に

雨が ふっていて

 

ちょっと

かなしくなります。。

 

 たとえば・・・

 

:夫の死後、よたか(夜鷹)に 身をおとした女

:身がって(勝手)な別れ話に 応じる女

:あたまがにぶくて、夫に捨てられた女

:足がわるくて、夫に捨てられかける女

 

etc・・

 

 

 そのなかに、「真の心が 描かれていなければ、

とうてい、読み切れない

 

でも・・

 

人間のあやまち だけでなく、

こうかい(後悔)や

しょくざい(贖罪)を もり込んでくれているから、

 

読んだあと

ガッカリしない

 

 ふじさわしゅうへい(藤沢周平)の ペンで、

江戸の雨は

やさしい

じょうかん(情感)に みちるのでした

 

 

 

 

(次回の雨小説は、道尾秀介『龍神の雨』を、レビューします

 

コメント (2)
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