クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雨の日に読む小説・6(山本周五郎「雨あがる」「雨の山吹」「しぐれ傘」感想)

2020-04-10 | 本と雑誌

 「江戸には、怪異の雨のみならず、人情の雨も降る」

 

これは、

時代小説における・定石であり

 

江戸時代を 

ぶたい(舞台)とする小説をよめば、

すぐ・わかります

 

 とくに、「人情雨」を ふらせる

作家

といったら、

やまもとしゅうごろう(かんじ:山本周五郎)

トップバッターで、

 

ひうん(悲運)に 見まわれた人や、

びんぼうくじを 引かされる人々

だいたい・主人公に

しているため、

 

「雨に降られるという・シチュエーションが、やたら・しっくりきます

 

 

<3作品を ご紹介します

 

 その1、映画にもなった

『雨あがる』。

 

これは、

人がよすぎて・士官もままならない

「剣の達人」の話で、

ふうふあい(夫婦愛)が すばらしく、

どくごかん(読後感)が、グ~(good)

 

 また、たんぺん(短編)には

 

幼なじみとして 育ちながら、

主家と家臣という 身分のちがいにより

人生が 大きく枝分かれしてしまった

サムライたちの話、

『雨の山吹』

(切ないやつです・・)

 

 町人物だと・・、「彫り物名人」の男が、

おのれの

しょくにんだましい(職人魂)

つらぬき通す

『しぐれ傘』。

 

などがあり・・

 

いずれも、作中では 

雨が 効果的に ふっています

 

 冷たい雨に 打たれる日があれど

 

りん(凛)として

そこに立つ

いっこ(一個)の人々を 描く

 

それが、山本周五郎の 雨小説なのでした

 

 

 

(次回は、藤沢周平の雨小説、いきます

 

 

コメント (10)
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