昨日、ご紹介した、古井由吉も
きこう(寄稿)している、
『日本の名随筆』
という
エッセイ集に、
「雨」を テーマにした 一冊があります。
80年代に 出版され、
昭和を 代表する
作家たち
が、
1~3ページくらいで
「雨」についての ずいそう(随想)を
つづっている、
なかなか・ぜいたくな本
なのですが、
その、48人の作家の 雨エッセイ
の中で、
クリンが
イチオシするのが
わかやまぼくすい(かんじ:若山牧水)
の、
「なまけ者と雨」
です
若山牧水は、自然をよませたら、
そのセンス・ピカイチ
な
歌人で、
この、
気がねなく書かれた・エッセイにおいても
序文からして、
すばらしいです
<ちょっと・抜粋・・>
「雨を好むこころは、確かに無為を愛する心である。
・・・
すべての企てに破れたようなこころには まったく雨がなつかしい。
一つひとつ降って来るのを 仰いでいると、
いつか心は おだやかに凪いでいく。
・・・・
梅の花のつぼみの綻びそむるころ、
消え残りの雪の上に降る強降のあたたかい雨がある。
桜の散り過ぎたころの草木の上に、
庭石の上に、
または わが家の屋根、うち渡す屋並の屋根に、
列を乱さず降り入っている雨の明るさは
まことに 好ましいものである。
しゃあしゃあと 降るもよく、
ひっそりと
草木の葉末に 露を宿して降るもよい。
・・・」
(・・・ステキです
)
ちなみに
ここからが 牧水の「本領発揮
」で、「雨」を よんだ歌
が、
られつ(羅列)されます
<お気に入り・4首を、クリンが ピックアップ>
「 わが庭の 竹のはやしの 浅けれど
降る雨見れば 春は来にけり 」
「 ぬかるみの 道に立ち出で 大雨に
傘かたむけて 梅の花見つ 」
「 わがこころ 澄みてすがすがし 三月の
この大雨のなかを 歩みつつ 」
「 あきらかに わがたましひを 打つごとき
この夜の雨を 聴けばなほ降る 」
そこへ、
しん(親)友・チットが
やって来ました
「
あ~・・やっぱり、若山牧水はいいね
でも・・
クリンがやってたのって、
『雨の日に読む小説』の紹介じゃなかった?」
「う・・うん。。なんか、あんまりなくて 雨小説・・
」
(でも、なんとか、小説の紹介にもどります)