クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

雨の日に読む小説・8(道尾秀介『龍神の雨』感想)

2020-04-12 | 本と雑誌

「雨を背景にした小説は、あまりカラッとしていない

と 

いうことは、

時代せってい(設定)を 問わず

どうも いっしょのようで・・

 

 先だって・ご紹介した、時代小説家、

山本周五郎の けいふ(系譜)を

引く

現代小説家・みちおしゅうすけ(かんじ:道尾秀介)

の 雨小説も、

わりと

びしょぬれです

 

 「道尾秀介」とは、1975年生まれの 

若手ミステリー作家

 

今を生きる人々の、

こどく(孤独)や

いたみ(痛み)を

描きつつも、

 どんでん返しで、ラストを

しめくくるのが

好きな、

「直木賞作家」です

 

 この方が書いた、『龍神の雨』(りゅうじんのあめ)

という小説を、

今日は 

ご紹介します

 

 お話は・・「家庭環境が複雑な 二組のきょうだいが、

一つの殺人事件で 絡み合う

いうもので、

 

二組とも、

まま(継)父や、まま(継)母と くらす

子どもたちです。

 

 

 かれらが・・、のっぴきならない・状況に 

追いこまれ

ぜつぼう(絶望)したり

号泣したり

大人のワナに はまって

苦きょう(境)に 立たされる

 

おも~い・お話。。

 

 ・・・でも そこに しんじつみ(真実味)が

あり、

(作者は、決して 趣味嗜好でダーク小説に走っているわけではない)

という、

やさしい心が

かんじられます

 

 世の中には、「不幸な境遇

の人がいて、

その人たちに 

さしのべられる手は、

あたたかい手ばかりではない

 

・・・・・

 

もし、

あたたかい手を さしのべられても、

にぎり返し方が

わからない

 

 「そんな人々を、切り捨てることは できますか

いや、

できないでしょ

 

と 言わんばかりに、

 

 さいごは、雨を 小やみにさせて、少し、救いを

もたせる

 

みちおしゅうすけ(道尾秀介)

って

そんなかんじです。

 

 

 ・・・ひさん(悲惨)な きょうぐう(境遇)と

むえん(無縁)に 生きる、

「順風満帆な読者

からは、

いまいち・りかい(理解)されないところも

ありますが・・

 

 セーフティネットな 考え方を もっていそうな

道尾さんのこと、

(良い人なんだろうな

思い、

クリンは

この小説にも、

おおむね・まんぞく いたしました

 

 

 ひとつだけ・・

「龍神が、手賀沼に あらわれる」

って

いうのはなあ~・・

 

だって、てがぬまだよ

あびこ(千葉県我孫子市)の。。

 

まつど(千葉県松戸市)出身のクリンとしては、

 

いわかん(違和感)しかない。。

 

 

あの、てがぬまに、りゅうじん・・って。。

 

 

 

(次回の雨小説は、半村良の直木賞受賞作『雨やどり』です

 

 

コメント (6)
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