「雨を背景にした小説は、あまりカラッとしていない」
と
いうことは、
時代せってい(設定)を 問わず
どうも いっしょのようで・・
先だって・ご紹介した、時代小説家、
山本周五郎の けいふ(系譜)を
引く、
現代小説家・みちおしゅうすけ(かんじ:道尾秀介)
の 雨小説も、
わりと
びしょぬれです
「道尾秀介」とは、1975年生まれの
若手ミステリー作家
今を生きる人々の、
こどく(孤独)や
いたみ(痛み)を
描きつつも、
どんでん返し
で、ラストを
しめくくるのが
好きな、
「直木賞作家」です
この方が書いた、『龍神の雨』(りゅうじんのあめ)
という小説を、
今日は
ご紹介します
お話は・・「家庭環境が複雑な 二組のきょうだいが、
一つの殺人事件で 絡み合う」
と
いうもので、
二組とも、
まま(継)父や、まま(継)母と くらす
子どもたちです。
かれらが・・、のっぴきならない・状況に
追いこまれ、
ぜつぼう(絶望)したり、
号泣したり、
大人のワナに はまって
苦きょう(境)に 立たされる、
おも~い・お話。。
・・・でも
そこに しんじつみ(真実味)が
あり、
(作者は、決して 趣味嗜好でダーク小説に走っているわけではない)
という、
やさしい心が
かんじられます
世の中には、「不幸な境遇
」
の人がいて、
その人たちに
さしのべられる手は、
あたたかい手ばかりではない。
・・・・・
もし、
あたたかい手を さしのべられても、
にぎり返し方が
わからない
「そんな人々を、切り捨てることは できますか
いや、
できないでしょ」
と 言わんばかりに、
さいごは、雨を 小やみにさせて
、少し、救いを
もたせる
みちおしゅうすけ(道尾秀介)
って
そんなかんじです。
・・・ひさん(悲惨)な きょうぐう(境遇)と
むえん(無縁)に 生きる、
「順風満帆な読者」
からは、
いまいち・りかい(理解)されないところも
ありますが・・
セーフティネットな 考え方
を もっていそうな
道尾さんのこと、
(良い人なんだろうな)
と
思い、
クリンは
この小説にも、
おおむね・まんぞく いたしました
が
ひとつだけ・・
「龍神が、手賀沼に あらわれる」
って
いうのはなあ~・・
だって、てがぬまだよ
あびこ(千葉県我孫子市)の。。
まつど(千葉県松戸市)出身のクリンとしては、
いわかん(違和感)しかない。。
あの、てがぬまに、りゅうじん・・って。。
(次回の雨小説は、半村良の直木賞受賞作『雨やどり』です)