日々茫然

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チビさんの思い出話

2006-06-16 | チビさんの話



早いもので、今日でチビさんが亡くなってもう半年が経ちました。
ついこの間のような、ずいぶん前のような、まだ生きて家にいるような感じが混在しています。

ここで、思い出話を少し記録しておきたいと思います。

今まで猫は5匹飼いましたが、2匹は外出したまま行方不明になってしまったので、チビさんは、うちで初めて最期まで看取った猫でした。
14年間も一緒に過ごした動物も初めてで、それだけに色んな思い出があり、本当に家族そのものでした。

いつも無口で、クールな無表情で、カメラを向けても目をそらさず、同じ顔ばかり。
いつ撮ってもおすまししていて全く同じ顔なので、変化がないような気がして、大人になってからはあまり写真を撮らなかったのが悔やまれます。
それでも、ブログを始めてからは、ネタ探しのために猫の行動に注意するようになり、ちょっと変わったポーズなどをしていると、まめに写真を撮るようになりました。
表情は同じでも色んなポーズの写真が、それまでの数年間以上に残って、良かったと思いました。携帯なので、プリントしたら画像はかなり悪かったですけど。



チビさんは、目もやっと開くか開かないかというくらい小さな時に捨てられていたのを拾ってきたので、野良の経験がありません。
以前住んでいた家は1階が店舗だったので、自由に出入りできる環境でしたが、よく店番はしていても、外に出ることはほとんどありませんでした。
ところが、よその猫がわずかでも家の敷地に入ってくると、激しく威嚇し、戦いを挑みました。

一度、屋根伝いにうちの屋根までよその猫が来た時に、大喧嘩する声で慌てて屋上へ駆けつけ、今にも飛び掛ろうと威嚇しているチビさんを止めようと抱きかかえようとしたら、興奮していたせいで激しく暴れて手に噛み付かれてしまい、怪我をした事がありました。
傷口自体は小さかったものの、牙が深く刺さったのでかなり腫れてきて、結局病院に行きました。
今でも左手の親指の付け根に、5箇所、歯の跡が残っています。これはきっと一生消えないチビさんの置き土産です。チビさんが生きていた証です。噛んでくれてありがとう。

また、家を建て替えるために仮住まいしていた頃、ベランダによその猫がやってきた時も、激しく威嚇して、追い返そうと網戸を突き破って飛び出して行きました。
その時は、網戸をぶち破った衝撃のためか、噛み付いたためか、犬歯が抜けてしまい、大出血で病院送りになりました。
もう10歳を超えていたのに、縄張りを守ろうと頑張ったのです。

今思えば、チビさんはメスだったので、縄張りがどうこうというよりも、自分より若いひな達を守りたい、という気持ちが強かったのではないかと思います。
避妊手術をしていたので、子供を産むことはありませんでしたが、新入りが来ても最初は威嚇するもののすぐに受け入れてくれたし、特にひなに対しては完全に母の気分だったように思います。


ユズは、先輩であるひなを獲物のように追いかけまわしていじめ、飼主である私まで威嚇し本気噛みする傍若無人なヤツですが、チビさんには一目置いていました。
たまにちょっかいを出しても、チビさんの「シャーッ」という一喝で、諦めて引き下がり、動じないチビさんに貫禄負け、という感じでした。

そういう猫なので、いつしか敬意をもって名前に「さん」が付くようになったのです。
カッコイイでしょ?

無口でほとんど鳴かない子でしたが、病院に連れて行く時だけは、家を出て駐車場に向かうまでは不安そうに鳴いていました。が、車に乗り込んだとたん、ピタッと鳴きやんで、覚悟を決めていました。
病院でも、長い待ち時間を黙って耐え、診察中も、何をされてもおとなしく我慢してくれていました。
帰りの車の中では、もう帰るのだと分かっていて、窓から外を眺める余裕がありました。

そういえば、無口なはずのチビさんですが、くしゃみが嫌いで、誰かがくしゃみをしそうになる時だけ、「ニャッ」と小さく抗議していました。
いつもクールなチビさんが、ちょっとユーモラスに見える貴重な場面でした。

 チビさん、ありがとう。みんな忘れてないよ

コメント (4)
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