日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

藤城清治 光と影の世界展

2006-06-23 | アートの話
岡山県立美術館へ、「藤城清治 光と影の世界展」を見に行ってきました。
切り絵でつくった影絵で有名な方です。
見れば誰でも「ああ、知ってる!」と思うはず…

以前から、エッジが効いた黒い切り絵のラインと、影絵で淡く浮かび上がる柔らかな色彩のコントラストが素敵だなぁ、と思っていたのですが、実物を見るのは初めてです。

もう、すっごいキレイで感動しました 

やっぱり実際に光を通してみる作品は、印刷で見る作品とは雲泥の違いがあります。
近くで見ると、木々の枝と葉とか、気が遠くなりそうなほど細かい切り貼り作業です。
大作もたくさんあって、縦に細長い6メートルの作品など、あまりに細かくキレイなので、見ていて涙が出そうでした。

かわいい小人や子供を題材にした作品が有名ですが、以外に動物もたくさん扱われていました。
動物たちも可愛いだけじゃなくて、毛並みなどはフサフサとしてとてもリアル。
もあちこちに顔を出して、ユーモラスな表情を見せています
制作風景を撮影した映像が流れていましたが、ライティングデスクで切り貼りをしているすぐそばで、猫が作業を覗き込んでいてビックリしました。
奥様かスタッフの方なのか、誰かの手が「邪魔しないのよ」って感じでそれ以上近寄らないように猫を止めていました。

ビックリしたのはそれだけではなく、紙を切る作業はとても細かいので、ペンの先に小さなナイフが付いているような、ペーパーカッティング用のナイフを使用されているのだろうと思っていたら、いわゆる「剃刀」を使って作業されていました。
あの2×4㎝くらいの四角くて薄いやつですよ
もう80歳を超えていらっしゃるのに、あれを器用に手早く動かして、あれよあれよという間にミリ単位の細かい部分まで切り抜いてしまいます。
またしても感動

一部の作品は、壁が箱のように凹んでいて、その中を薄暗くし、奥の正面に影絵の作品があって、左右の壁は鏡になっていて、下の面には水が入っている、という展示方法がとられていました。(うまく説明できない)
こうすると、左右の合わせ鏡に作品が映って長く横に繋がって見え(つなぎ目も計算してあるので、ずーっと風景が続いているよう)、水面にも作品が映ってゆらぎます。
まるで、水辺に立って対岸のファンタジーの世界を眺めているような幻想的な演出です

作品数も多く、充分堪能しました。
これだけ感動できた作品展は久しぶりです。
興奮覚めやらぬまま、展示作品全点を収めた図録(¥2,800?)と、猫の入っている絵はがき(¥210)4種類、母達へのお土産にクリアファイル(¥650)を3種類、計5千円以上を衝動買いしてしまいました
普段は気に入った作品の絵ハガキくらいですから、(しかも今回は相場より若干割高なので悲しかった…)どれだけ気に入ったか分かっていただけますか?

明後日までの開催で、予報ではずーっと雨だし行くのを迷ったんですが、行って良かった 
滑り込みセーフでした。

藤城清治さんの作品展、もし近くで開催される機会があれば、ぜひぜひ実物を見てみてくださいね
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする