日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

ダ・ヴィンチ・コード・ツアー

2006-07-12 | アートの話

先週、初めて日帰りバスツアーを利用して、大塚国際美術館の「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」に行って来ました。

大塚国際美術館は、世界中の名画1,000点余りを原寸大で精巧な陶板画にし、展示している国内最大級の展示スペースを持つ美術館です。
以前から一度は行ってみたいと思っていたのですが、車を運転しない人間にとっては、なにしろ交通の便が悪い場所
なかなか行く機会はないだろうと思っていました。

そこへ「ダ・ヴィンチ・コード」ブームにのっかって「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」なるものを企画したバスツアーのチラシが
これを逃したらたぶんもう行けないと、申し込みました。
母の休みに合わせて日曜日の日程にしていましたが、2週間ほど前になって「申し込みが少なく、中止になりました」とTELが…
でも「2日後の火曜日なら決定していて、まだ10席ほど空きがあります」と言われたので、母が休みを調整して、行く事にしました。
平日なので、500円ほど安くなりました。

さて当日、集まったのはやっぱり平日なのでおじさんおばさんばかり…
「ダ・ヴィンチ・コード読んだ人なんているのか?」と思っていたら、案の定、添乗員さんが聞いてみると映画を見た人が数人、本に至っては私だけでした
まぁ私も、「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」は付録みたいなもので、大塚国際美術館が見れればよかったので、他の方たちも一緒でしょう。

行きは岡山県の宇野港から、フェリーで高松へ渡りました。
今回のツアーは目的地が大塚国際美術館だけなので、それではあまりに地味だと旅行会社も考えたようです。
フェリーの屋上?にあがると、曇りでしたが風が気持ちよく、到着まで1時間余りずーっと屋上でぼんやり景色を眺めました。(母は早々に中へ入ってしまった)


私、船好きかも。
中に入ると、タバコを吸う人がいたり、なんか薄暗かったりしてつまらないけど、外にいれば風も来るし、景色はいいし、酔わないし、良かったです。


高松から再びバスで、目的地の美術館そばのお土産屋さん兼食堂(ありがち)で昼食。
食事内容は、鯛の釜飯と、ブリのアラ煮、味噌汁、漬物。(だけ)
安いツアーだったので期待していなかったから、こんなもん。でも味は良かったです。

食事休憩は約1時間で短かったのですが、すぐ近くに鳴門大橋の橋桁から渦が眺められる「渦の道」というのがあるそうなので、行ってみました。
入場料500円で、渦の真上あたりまで行けます。
ちょうど時間的には渦が一番出る時間だったそうですが、残念ながらちっちゃい渦が少し見れただけでした。
でも、展望室やそこへ至る道(橋の中)のところどころに、床がガラス張りになっている場所があり、そこへ立つと宙に浮いているみたいで面白かったです。

  

写真では分かりにくいですが、海面から45mくらいあるそうです。
高所恐怖症の人はダメですね
歩きながら途中に現れるガラスの上をそのままさりげなく歩こうとしてみましたが、足をガラスに乗せた瞬間、落ちそうな気がしてゾワッっとしました
なかなか楽しめました。

さて、その後がお待ちかねの大塚国際美術館です
外観は、建物が半分以上地下に作られているとのことで、小山に埋まったような玄関ホールくらいしか見えません。
中に入って受付を済ませると、長いエスカレーターに乗って上へ上へ。
着いた所は、かなり広い展示ホールです
想像以上に広くてビックリ
正面のスペースは、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂大壁画&天井画
しかもここが地下3階で、展示はさらにこの上に5階分(地下3階、地上2階)あるとか。
頭の中はでいっぱいです。

ともかく、まずは1時間の「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」が始まりました。
美術館の解説員の方が、「ダ・ヴィンチ・コード」のストーリーに沿って関連する作品(モナ・リザとか最後の晩餐とか)を巡りながら解説してくれました。



へぇ~、と意外だったのは、冒頭でソニエール館長が、警備システムを作動させるために壁から引き剥がしたカラヴァッジョの絵が、363×245cmと、かなり大きかったことです。重量も100kgほどあるとか言われていたような… (これはうろ覚えで、かなりいい加減なので、あまり信じないでください)

その他の解説も、本を読んでるから「なるほど」と思いましたが、本も映画も見てない母はサッパリ解らず、眠くて仕方なかったようです。 他の参加者の大半もそうでしょうね。
他にも、同じようなツアーらしいグループが、入れ違いに何組も見えました。
ところで配られたパンフレット、暗号の謎解きとか書いてあって、ネタバレなんですけど…
参加者、今後も読みそうにない感じなんで、あまり関係ないか…

解説が済むと、いよいよ自由鑑賞です。
残り2時間
かなり広いみたいだけど、回れるのか
解説の方に聞いてみると、全部で約4kmあり、歩くだけで1時間はかかるとか…
それはいかんとすぐ出発。
キャプションもゆっくり見ている時間はナシ、とにかく作品の前をさらっと眺める感じでどんどん歩きます。
これでもかというくらい広い。数が多い。
構造も複雑で、順路がわからなくなるので、床には要所要所に矢印がついています。これを見逃すと、確実に迷う
最初のフロアだけで、正直「もうお腹いっぱいです…
でもきっと二度と来る事はない、とりあえず全部回ろう、と疲れた体に鞭打ちつつ、惰性で歩きます。
なにしろどれも実物大、巨大な作品に圧倒され、教会や遺跡の内部をそのまま再現してある展示も多く、じっくり見れたらどれだけ感動できるか、というくらい凝っているし良くできているのですが、とにかく時間がないし、疲れている。
しかもサラッと通過しようにも、「世界の名画」なので、行けども行けども、教科書や美術史の本で見た作品ばかり。興味を引かれてつい足が止まります。

 エル・グレコの祭壇画。人物と大きさを比べてください。
こんなのばっかり次から次へと…

早く進まないと、と焦る気持ちとは裏腹に、超有名作品達に「見て行って~、見なきゃ損だよ~」と客引き攻勢をかけられている気分
作品は、全てオリジナルではなくて陶板なので、人物と一緒なら撮影も可、と言うことでしたが、のんびり撮影してる時間なんてナイナイ

 屋外には、モネの睡蓮を浮かべた池まであります。

それにしても、膨大な作品を、美術史をなぞるように古代から現代まで系統的に展示してあるので、美術史の勉強にはもってこいだろうなと感心しつつ。

地下部分3フロアをなんとか進み、地上1階に出ると、あっという間にそのフロアの展示終了。
あれっっと思うと、地上2階も終了。
どうやら地上部分は地下ほど広くなかったらしい。

40分ほど残して見終わったので、カフェで休憩しながらパンフレット(これが22ページもある冊子)を見直していると、地上1階部分に、「あれ?見てないかもしれない」という展示が… そういえば、そのフロアだけ特に早く済んだような…
母は「もうくたびれたから待ってる」と言うので、一人でもう一回戻ってみます。
ところが、地上1階を早足で最初から歩いても、続きがない
図面には続きがあるのに、順路はエレベーター前で終わり、「ここから地上2階へ」
おかしいな~、と思いながら、仕方なく2階へ上がってみると、順路の最後の最後に、ちょっと死角のような場所のエレベーターがあり、「ここから地下1階へ」
エレベーターを出ると、ありました、続きが。

展示は、美術史をなぞる系統展示、そのあと「時」「生と死」「家族」などのテーマ展示が続いていました。
テーマ展示は、地上2階の後半から始まって、地上1階に続いていて、地上2階の系統展示とはフロアが繋がっていなかったのです。
地上部分は、各フロアが本館1、2に分かれていて、本館2の部分が、テーマ展示になっていたのでした。
つまり順路としては、系統展示「地下3階」→「地下2階」→「地下1階」→「地上1階(本館1)」→「地上2階(本館1)」 →テーマ展示「地上2階(本館2)」→「地上1階(本館2)」
ややこし~

とにかく一通りは見て、地下3階に戻り(残り15分)、母がせかすのでミュージアムショップをざっと見て、10分前には集合場所(入口)へ。

帰りはバスで帰るだけなので、ぐったり寝てしまいました。

面白かったけど、疲れる一日でした~

大塚国際美術館、恐るべし
できればもっとゆっくり休みながら見たかった。
「3時間って、長くない」と思っていましたが、ぜんぜん足りなかったです。
「ダ・ヴィンチ・コード・ツアー」抜きで、最初から自分のペースで見れたとしても、たぶん3時間じゃ足りないです。
というか、1日で全部見ようとしたら、量に圧倒されて飽きるかも。
ミニルーブル、といった感じでしょうか。(ルーブル行ったことないけど)
入場料3,150円、「高くない」と思っていましたが、それもヤムナシ。
でも、複雑な建物も面白いし、内容はとても良くできているので、話のタネに、1度行ってみてもいいですよ 体力のある時に…

コメント (4)
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