25年ほど前、いつものように骨董市をひやかし歩いていた時、見慣れない物に目がとまりました。それが今回の品です。
口径 13.9㎝、高台径 5.4㎝、高 6.3㎝。中国。現代。
珍しい物にはすぐ手が出る性格なので、すぐにゲット。
当時、ガラスや七宝に興味がありました。特に、金属のボディに植線した通常の七宝の金属ボディを溶かした省胎七宝に憧れていました。しかし、手が届かない高嶺(値)の花(^^;
そこへ、この器が現れたのです。
しかも、お値段は省胎七宝の20分の1。ビンボーコレクターが飛びつくのは仕方ありません(^^;
真鍮ボディの網目に、水で溶いた色ガラスを入れ、焼成した物です。網目の作り方はわかりません。
家へ帰ってじっくり見ると、いくつかの疑念が。
とにかく、省胎七宝特有の上品な透明感がないのです(^^;
七宝の透明度が悪い、ムラがある、色に深みがない、造りが粗雑・・・・
これは、省胎七宝!!?
拡大してみると、色ガラスが融けきらずに色ガラスの粉が散らばっていて、焼成も不十分であることがわかります。
調べてみると、ボディの無いこのような七宝は、透胎七宝と呼ばれていることがわかりました(たいていは、この品より造りが丁寧(^^;)
中国のこの手の品は、その後、どの骨董市でも見かけるようになりました。
そうなるともうその気がなくなり、ずっと放ってありました(^^;
今回、ブログでかろうじて日の目をみたのです。この機会です。実際に日の光をあててやりました。
いつか、本家の省胎七宝でブログアップしたいものです。
アクセサリーなどちょっとした小物を入れるにいいと思います。
どうやって網々のボディを作るのかわかりませんが、日本製ならかなりの値段になるでしょう。
お手軽に、らしい雰囲気を楽しむには格好の物でしょう。
しかし、本物の省胎七宝の美しさは次元が違いますね。
じっさいに何かを入れて飾るものではなく、このように光に透かしたり、ながめて楽しむものなのでしょうね💡大きければメダカのお家にしたいような風情があります🍀🍀
それをはしょってお手軽に、というのが今回の品だと思います。
いかにも中国的な発想です。
完全な偽物というわけではありませんが、だんだん厭になってきます(^^;
省胎七宝とか透胎七宝という技法もあるんですね、勉強になりました。
本家はものすごく高いようですが、この品も光を当てれば十分に魅力的だと思います。
それに対して、透胎七宝なる用語は、今回のブログを書くにあたって、はじめて知りました。うまく名付けたものだとは思いますが、やっぱり邪道ですね。省胎七宝のまがい品です。
それにしても、中国物は安いですね。
透胎七宝と省胎七宝とを比べますと、透胎七宝は省胎七宝の20分の1の値段ですか!
でも、日の光に当て、日の目を見させてあげますと、どこかステンドグラスを思わせ、風情がありますね(^-^*)