初夏のマイル女王決定戦・第6回ヴィクトリアマイル(GI・芝1600m 17頭立て)が15日、東京競馬場で行われました。今年のVMは2010年の年度代表馬⑬ブエナビスタVS3冠牝馬⑯アパパネの新旧女王対決が実現!両者はこれが初顔合わせ、ブエナが女王の貫録を見せつけて史上初のVM連覇か、それともアパパネが世代交代を実現させるのか?2強以外では、中山牝馬Sを制した③レディアルバローザ、②アニメイトバイオ、⑮アプリコットフィズ、⑨ショウリュウムーン、⑥オウケンサクラ、⑪エーシンリターンズといった4歳世代、5歳以上では3年連続参戦の⑰ブラボーデイジー、⑧カウアイレーン、⑦ブロードストリートなどが下克上を狙いました。
単勝上位人気は、ブエナビスタが断然の1番人気(1.5倍)、アパパネが2番人気(4.1倍)。単勝1ケタ台はこの2強のみ。3番人気以降はレディアルバローザ、アニメイトバイオ、アプリコットフィズ、ショウリュウムーンと続きました。
スタートでアニメイトバイオが少し遅れ、ブエナとアパパネは良いスタートを切りました。好スタートを切ったアプリコットフィズ、レディアルバローザ、エーシンリターンズが先行争いをする中、オウケンサクラが押して押して先頭に立ち、後続を引き離して独走態勢に。2番手にエーシンリターンズ、アルバローザ3番手。4番手付近にはアプリコット、⑩コスモネモシンが並走。⑤アンシェルブルー7番手、8番手に③グランプリエンゼルと続き、中団の9番手集団にアパパネがいて、ブロードストリートやカウアイレーン、ショウリュウムーンも集団の中。その後ろをピッタリとつけるかのようにブエナビスタが13番手付近を追走。内側にアニメイト、外側にブラボーデイジー、後方2番手に①ワイルドラズベリー、⑫スプリングサンダー最後方で3コーナーへ。
逃げるオウケンサクラは前半の600mを33秒6で通過し、大ケヤキから残り800mを切って大差のリードを守る。エーシンリターンズが2番手で追い、コスモネモシン3番手まで浮上。レディアルバローザは最内を走り、ブエナとアパパネは外に持ち出して4コーナーから最後の直線へ。オウケンサクラがまだ逃げ粘るが、2番手との差がだんだん縮まった。残り400mでアルバローザとグランプリエンゼルの2枠コンビがオウケンサクラをかわし、外からアパパネが先頭に迫ってくる!先頭争いはアパパネとレディアルバローザに変わり、残り200mでわずかにアルバローザが先頭。大外からブエナビスタが猛追し、グランプリエンゼルをかわして3番手まで浮上するが、アパパネを捕らえられるか微妙だ。そしてゴール前でアパパネが先頭に浮上!ブエナビスタが襲いかかるも届かない!勝ったのはアパパネ!ブエナの猛追を振り切り女王対決を制しました!
最終成績&払戻金
1着⑯アパパネ 1.31.9
2着⑬ブエナビスタ クビ
3着④レディアルバローザ クビ
4着③グランプリエンゼル 1 1/2馬身
5着⑤アンシェルブルー 3/4馬身
6着⑫スプリングサンダー ハナ
7着②アニメイトバイオ ハナ
8着①ワイルドラズベリー 3/4馬身
9着⑦ブロードストリート クビ
10着⑭ディアアレトゥーサ 2 1/2馬身
11着⑩コスモネモシン 1 3/4馬身
12着⑧カウアイレーン クビ
13着⑨ショウリュウムーン クビ
14着⑪エーシンリターンズ 1 1/4馬身
15着⑥オウケンサクラ クビ
16着⑰ブラボーデイジー 3 1/2馬身
17着⑮アプリコットフィズ 1 1/2馬身
払戻金
単勝 16 410円
複勝 4 200円 13 110円 16 120円
枠連 7-8 210円
馬連 13-16 230円
馬単 16-13 740円
ワイド 4-13 330円 4-16 460円 13-16 140円
3連複 4-13-16 620円
3連単 16-13-4 3620円
年度代表馬VS3冠牝馬による女王対決はアパパネに軍配!国内最強牝馬・ブエナビスタを破ってヴィクトリアマイル制覇、そして牝馬戦線の世代交代を実現させました。アパパネは昨年の秋華賞以来となるGI5勝目。GIの勝ち星の数でブエナに並びましたね~。鞍上の蛯名正義騎手はVM初勝利でGI通算18勝目となります。優勝タイム1分31秒9は2009年の勝ち馬・ウオッカの1分32秒4を0.5秒更新するレースレコード!序盤にオウケンサクラが大逃げしてくれたおかげでしょうか?
昨年は牝馬3冠を達成し、名実ともに3歳牝馬の№1に就きましたが、エリザベス女王杯3着、マイラーズカップ4着と古馬戦線の厳しさを味わう事に。過去2戦の結果を考えると、VMで勝てるのか不安でした。迎えた決戦当日、前の方でオウケンサクラが逃げ続ける中、アパパネは中団でじっと待機。直線で蛯名騎手の「愛のムチ」に応えるように加速し、最後はブエナビスタを抑えての勝利。この1勝は本当に価値が高いですね。阪神JFを勝った時は「たまたま勝てた」というイメージしか無かったけど、GIを勝ち続け、今ではブエナ越えを果たすまでに強くなりました。次走は安田記念に参戦予定で、今回の内容からすれば「府中マイルGI連覇」も期待できるかもしれない。
VM連覇を目指したブエナビスタはクビ差の2着に惜敗。上がり3ハロンのタイムではアパパネを上回っていましたが、あと一歩届きませんでした。(ブエナ34.0秒、アパ34.3秒)彼女にとってマイルは短すぎるのか…。今後は宝塚記念に向かうそうで、最強4歳世代を相手に負けるわけにはいかないだろう。それにしてもブエナに騎乗した岩田康誠騎手は府中に弱いですね…。昨年のダービーでのヴィクトワールピサ、先日の皐月賞でも勝てなかったからな~。この後のオークス&ダービーも無理だと思う。
来週・22日は牝馬クラシック第2戦・オークスが行われます。樫の女王を決めるこのレースには、桜花賞馬のマルセリーナ、ホエールキャプチャ、メデタシ、フローラステークスの勝ち馬・バウンシーチューン、ディープインパクトとエアグルーヴの仔・グルヴェイグが出走予定。桜花賞同様難しいレースになりそうな気がします。